視覚と“匂い”で世界を見ている猫
猫は、目がいい動物だと思われやすい
猫は窓の外をじっと見ています。
鳥が飛ぶ。
人が通る。
車が動く。
こうした動きにすぐ反応するので、猫はとても目がいい動物だと思われがちです。
でも実際には猫の視力は、人ほど高くないといわれています。
人の視力を1.0とすると、猫は0.1〜0.2程度と言われます。
言い換えるなら飼い主も、しっかり見えていない可能性もあります。
しかし夜は人間でいえば、暗視カメラのようにかなり暗くても見える特徴があります。
猫の目は対象物をくっきり見るためではなく、狩猟の時の名残で動きや気配に気づくための目だと考えると分かりやすいです。
実際動きがあるものは、動きがないものよりはっきり見えるという話を聞いたことがあります。

猫は目だけで世界を見ていない
人間にとって情報の9割は、視覚からの情報といわれています。
しかし猫の場合はそうではなく、視覚情報だけで「ここは安全か」を判断していないことです。
猫にとって、匂いは視覚情報同様にとても重要です。
いつもの寝床。
いつもの毛布。
いつもの家具。
いつもの通り道。
そこに自分のにおいが残っていることで、猫は安心しやすくなります。
言い換えるなら人にとっては同じ部屋でも、においが変われば猫には違う場所のように感じる場合がありえます。
縄張りの正体は、におい
猫は縄張り意識が強い動物と言われます。
当たり前ですが、猫が家の中に線を引いて「ここからが自分の縄張り」と考えているわけではありません。
猫にとって縄張りの正体は、においです。
頬をこすりつける。
体をすり寄せる。
いつもの場所で寝る。
こうした行動には、自分のにおいを残す(マーキング)意味があります。
猫は自分のにおいが残ることで「ここは知っている場所」「ここは安全な場所」と視覚以外でも確認しているのです。

においの変化はストレスになる
だからこそ、においの変化は猫にとって大きな出来事になります。
家具を入れ替えた。
来客が続いた。
芳香剤を使った。
人から見ると当たり前で何気ない事でも、猫からすると縄張りの情報が書き換わったようなものです。
なんとなく落ち着かない。
いつもの場所なのに警戒する。
家具の周りを何度も確認する。
こうした行動の背景には、においの変化によるストレスが関係していることがあります。

猫の居場所を考える時に大切なこと
猫が落ち着く家というと、キャットウォークや窓際の居場所が注目されがちです。
もちろんそれも大切です。
それと同じくらい、においで環境を理解することを知ってほしいと思います。
言い換えるなら猫にとってのにおいは、記憶であり、地図であり、安心です。
猫が落ち着ける家を考える時は、見える景色だけでなく、どんなにおいが残る環境なのかも考えてあげる必要があるのだと思います。
