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今後に向けて魔術的リアリズムの練習 26/02/08

・今後に向けて魔術的リアリズムの練習。

・全身の脈の働きを感じて、起床。しかし身体のあちらこちらで脈が鳴り、とても全身で統一的に動けるような状態ではなく、今日も一日生きねばならぬ、生きねばならぬと思いながら、寝転びながらずっとスマートフォンをいじっていた。時折胃から心臓を吐き出しそうにもなるが、寧ろそこまでの不安と緊張であれば、まだマシである。

・呼ばれて、外へ。「行きます」と呼ばれて、外へ。「行きます」と言って、外へ。誰かに連れられるように、「雪合戦をしよう」と誘われるように、外へ。玄関の外は特別な光景。これはどうしても特別な日になると思えてならなかった。一歩一歩進む度に景色は普段の街ではなく雪山へと変化してゆき、少ししか歩いていないにも関わらず、交差点を3つ程渡った頃には、もうすっかり知らない雪原歩いていた。随分遠い所まで来たものだと辺りを見渡しながら、ここまで来てしまったのならば、ザクザクともっと歩いてみようという気になった。呼ばれて、外へ。焚き火をしようと誘われた。

・いくつかの食べ物を持参し、呼ばれた場所へ。ここならば雪があまり吹かないという、木々や岩場でやや奥まったような地形になっている場所があって、そこで「焚き火をしよう」という呼ばれ方をした。一番乗りは、私。先にアウトドアチェアを置いて火起こしでもしようと、火起こしの準備をしていた所で、呼び声の主が現れた。そして、また別の人も「焚き火の煙に呼ばれて」と言って現れた。おお、心強い。みんなで焚き火を、囲みましょう。人は合計で6人にも増えた。広い雪原も、その奥の隠れ家的な場所も、焚き火の火も、全て、呼ばれて、見せてもらっているものである。この入り組んだ地形から目を遠くへ移すと、相変わらず降り続ける雪があった。

・時折、松ぼっくりのようなものを拾いに辺りをウロウロする事はあったものの、基本的にはずっと、6人で火に当たる。時折、遠くに雪原を歩く人が見える。「歩いてる人と俺らと、随分格好がちゃうな」「火に当たってたら、上着は寧ろ暑いですからね」そんな事を話しながら、おにぎりを食べた。ただ火に当たっているだけで、どんどん日が沈む。これほんまに帰れるんやろか、という気にもなりながら、その裏で、このままずっとこうして火に当たっていれば、明るさもあり、それはそれで楽しいのではないかとも思った。一分一秒が、特別であった。雪の日の焚き火。徐々に暗くなる空の色。みんなでやれば、焚き火は出来る。

・雪が、強くなってきた。また集まれば、いいですから。そうして、6人の内2人は、雪に覆われた小さな小さな駅舎のある、単線の、どこへ向うかわからない線路の続く、寂しい駅に向かった。名残惜しさ故に、私も、自宅とは反対方向であるとは勿論知りながら、されど、これもまた縁だろうと思い、寧ろその計画性の無さを喜ぶようにして、駅への道なき道の写真を撮影しながら、ポツンと立っている雪の被った郵便ポストを撮ったりしながら、駅へ向かった。道は、無い。しかし、きっとこれが道だろうと思いながら、もう消えてしまった焚き火を思い出しながら、名残惜しさを抱えて、呼ばれた自分に贅沢さを感じて、遂に、小さな駅舎の乗り場までやって来た。「本当に、よく来てくれました」「こちらこそ、また来て下さい」固い握手を交わし、彼らは、列車に乗り込む。突然不意に、鳴り響く汽笛の音。ディーゼルエンジンの音は、容赦なく、車体を進めてゆく。彼らは、帰れるのだろうか。また明日、手紙でも送ろう。そう思いながら、列車の明かりが見えなくなるまで、乗り場に立ち尽くしていた。

・辺りは真っ暗。とは言え、折角雪の世界に、来たならば。私は、敢えて遠回りをして、何枚も写真を写しながら、グネグネと曲がったような帰路を進んだ。雪の写真、あの人と、あの人に、送ろう。独り雪の世界を、木が茂っていたり、だだっ広かったり、或いはまだ道の跡が残っていたりする、そんな夜の雪の世界を、パシャリ、パシャリ、と写真を撮りながらザクザクと歩いた。雪への名残惜しさはあれど、一方で「もう十分だろう」と思える程の写真は撮れたので、去り際の美学という言葉を思い出し、グネグネの帰り道に急に現れた真っ直ぐな道をスタスタと、一気に進んで、結局、真っ直ぐな道を進み始めてから10分程で、自宅へ戻った。

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