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【創作昔話】『狐とほおずきの春 』(語源を信じないでください)

むかしむかし、冬でも『春』の場所がありました。それは、狐火で温められた『春』でした。
狐は、毎日毎日汗水流して、せっせと狐火を作っていました。

なぜ狐はそんなにしてまで春を作っていたかというと、それは鬼の国から救い出した女の子のためでした。

鬼の目を盗んで助けたとき、女の子はたいそう赤い顔をして、ひどい熱がありました。
体の弱い女の子のために、たった二匹の狐が女の子のいる場所に春を作っていたのです。

狐たちは、真っ赤な頬をした顔つきから、その女の子を『ほおずき』と名付けて可愛がっていました。

でも狐火を燃やし続けるのも限りがありました。さすがに二匹だけでは限界だったのです。
ほおずきが自由に歩いたり走ったりできるようになった頃のこと。

狐たちは、ほおずきを "本当の春" に連れて行こうと考えたのです。
その日から狐たちは一生懸命『春』を探しました。そしてやっとのことで見つけたのです。

一匹の狐がおばあさんの姿をして、こう言いました。

「ほおずきや。ここには鬼がやってくるから、引っ越そうと思うんじゃ」

それは嘘だったのですが、ほおずきを守るためには仕方ないと、狐は思いました。

「鬼がくるの?怖い!」

ほおずきは、前に鬼に捕まっていたことを覚えていませんでしたが、狐たちに『鬼は怖い』と教わっていました。

「大丈夫じゃ。ほら、このウサギを持っていなさい。ウサギはな、春へ連れて行ってくれるんじゃよ」



「そうなの?おばあさん」
「ああ。じゃから四月は、ウサギの月で『卯月』と書くじゃろ?」
「そっか!」

「道案内を狐に頼んだから、狐火の通りに歩くんじゃよ」
「おばあさんは?」
「私もすぐに追いかけるから」

一匹の狐が火を作って、もう一匹の白狐がほおずきと一緒に歩きました。
狐は前に後ろに気をつけながら歩きました。



その白狐は、さっきまでおばあさんの姿をしていた狐でした。
ほおずきを守ろうと見張っていたのです。

そしてほおずきは無事に春にたどり着いてホッとしていましたが、そこはなんと、ほおずきを救い出した鬼の国だったのです。

それに気づいた狐たちは、ここに誰もたどり着けないように迷い路を作りました。

そうすれば鬼も入って来れないだろうと思ったのです。

そうして狐たちは、ほおずきと安心して暮らせるようになりました。

その頃、鬼は春を探していました。
狐たちが作った迷い路で何度も何度も迷いながら。



「どこに行った!俺の娘よ!狐にさらわれた俺の娘よ!」

そうなのです。
ほおずきは鬼の娘だったのです。
頬が赤いのは赤鬼の娘だったから。
熱があったのは、角が生えてくる前の知恵熱のようなものだったのです。

『狐が作った春の中に鬼の子はいる』
鬼はそんな噂を聞きつけて春を探していました。

鬼が春を探していた時、春の中では狐たちが驚いていました。
ほおずきの頭から角が生えてきたのです。
ほおずきは自分が何者かを思い出しました。
狐たちもすべてを悟りました。

「ほおずきが鬼の子だったなんて」
「もし鬼に見つかったら、私たちは食われるかもしれない」
「でも、ほおずきが幸せになるなら……」
「……そうだな。ほおずきを本当の親に返そう」

狐たちは迷い路を解きました。

途端に鬼は春を見つけ、ほおずきを抱きしめました。

狐をギョロリと睨む鬼。
怯える狐たち。

「おばあさん、狐さんだったんだね。あたし嘘をつかれていたんだね」

「ほおずき、それは……」

狐は悲しい顔をしました。
勘違いだったけど、ほおずきのためを思ってついた嘘だったから。
鬼に食べられてもいい。
でも、ほおずきに誤解されることは、狐たちにとって死ぬより辛いことでした。

ドン!!

その時、ほおずきが大地に足を打ちつけました。

ほおずきにやられるなら……

狐たちはそう思って目をつぶりました。

狐たちのまぶたに浮かぶ、ほおずきの笑顔。
楽しかった日々が蘇ります。

ほおずきは鬼の前で手を広げました。
それは狐たちを守るように見えました。

「狐さんたちは私を守ってくれたんだよ!」
熱があったほおずきを寝ずに看病して、食べ物を毎日持ってきてくれて。
ほおずきが不自由なく暮らせていたのは狐たちのおかげでした。

「ほおずき……」

狐たちの目から温かい涙がこぼれました。

「てっきり捕まえられた子供だと思ってしまって、すいませんでした」

狐たちが素直に謝ると、鬼は狐たちを許しただけでなく、お礼を言いました。

「娘に良くしてくれてありがとう」

鬼は狐たちの心に打たれ、ボロボロ涙をこぼしました。

こうして、みんな仲良くそれぞれの暮らしに戻りました。
ほおずきは、たまに狐たちの家に遊びに行って遊ぶようになり、鬼も狐も幸せに暮らしたのでした。

めでたしめでたし。


鬼の子の帰り道を照らす狐火の灯火から、鬼の灯火で『鬼灯(ほおずき)」と言うようになり、『鬼の目にも涙』という諺も、この話からきていると伝えられています。
鬼が春を探したことから、立春の前日に鬼が現れる『節分』の行事が各地で行われるようになったとか。
「鬼は内」と掛け声をかけて豆まきをする地域は、もしかしたら『春』があった場所なのかもしれません。




片桐みかんさん、連日すいません💦
思いついたのでまた参加させて頂きます🙇‍♀️

🍊第44回 3つのお題(日本むかし話)
🎈お題①:「狐火が導く帰り道」
🐾お題②:「春を探しにきた鬼」
⏳お題③:「やさしい噓の結末」

日本むかし話の全お題+画像イメージを使って、創作むかし話にしてみました!

注意⚠️
語源もすべて創作しているので、読んで「なるほど」とか納得しないでくださいね♪
すべては『優しい嘘』です。

あら!お題③に繋がっとるやん!🤣

よろしくお願いします🙇



#3つのお題に空想のひらめきを

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