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Archive Item 002|午前0時で止まった時計

夜には、
時間が止まったように感じる瞬間がある。

街の音が少なくなって、
人の気配も遠くなって。

時計を見る。

午前0時。

もう一度見る。

やっぱり、午前0時。


NoctomoのArchiveに、
ひとつの懐中時計が収蔵された。

古い銀色のケース。

細かな傷。

長い年月を過ごしてきたことが分かる、
少しくすんだ表面。

蓋を開くと、
針は00:00を指していた。

止まっている。

ゼンマイが切れているのかもしれない。

壊れているのかもしれない。

最初は、そう思った。

けれど。

しばらく眺めていると、
少しだけ不思議なことに気づいた。

時計の内部は、
きちんと動いている。

歯車も、
ゼンマイも、
壊れてはいない。

それなのに、
針だけが動かない。

午前0時。

その瞬間から、
時間だけが先へ進まなくなっている。


少女は、時計を静かに持ち上げた。

隣では、
ウサギ車長も黙って時計を見ている。

ランタンの小さな灯りが、
銀色のケースに反射する。

窓の外には月。

遠くには、
まだ眠らない街の灯り。

時計の針は、
変わらない。

00:00。


もしかすると、
この時計は時間を測るためのものではないのかもしれない。

その夜を、
残すためのものなのかもしれない。

楽しかった夜。

寂しかった夜。

誰かと別れた夜。

誰にも会わなかった夜。

何も起こらなかった夜。

そんな夜にも、
それぞれに「その瞬間」がある。

時計は、その瞬間を覚えている。

だから、
先へ進まない。


午前0時という時間は、
一日の終わりでもあり、
新しい一日の始まりでもある。

昨日と今日の境目。

現実と夢の境目。

帰ることと、
もう少しだけ夜にいることの境目。

その境目で、
時計は止まっていた。

少女はしばらく時計を眺めたあと、
静かに蓋を閉じた。

まだ、
この時計のことは分からない。

誰が作ったのか。

誰が持っていたのか。

なぜ午前0時で止まったのか。

そして、
なぜ今も動き出さないのか。

Noctomo Archiveには、
まだ答えのないものがいくつもある。

だからこそ、
記録しておく。

すぐに答えを見つけるのではなく。

分からないまま、
その夜を残しておく。


Archive Item 003
MIDNIGHT WATCH

午前0時で止まった、
古い懐中時計。

それが故障なのか。

それとも、
ある夜を記録したままなのか。

まだ分からない。

ただひとつ確かなのは、

この時計が止まった瞬間にも、
どこかで誰かが夜を過ごしていたということ。

そして今夜も、
どこかで誰かが時計を見る。

午前0時を迎えるために。

あるいは、
午前0時を過ぎても、
もう少しだけ夜にいるために。


Collect the Quiet Nights.

静かな夜を、未来へ残す。

Noctomo Archive

夜の記憶を収蔵する場所。


この夜の続きを、映像で。

Noctomo YouTubeでは、
少女とウサギ車長がこの時計と出会った夜を記録しています。

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