【第281回】 Marketing Cloud Next : スコアリング機能のデフォルト条件
Marketing Cloud Next(Marketing Cloud Growth & Advanced Edition)では、リードおよび取引先責任者を、事前に定義されたルールに基づいてスコアリングすることができます。
今回の記事では、この事前に定義されたルールに基づくスコアリング機能のデフォルトの条件を理解することで、自社のニーズに合わせたカスタマイズを容易に行えるようにすることを目的としています。参考にしてください。
この事前に定義されたルールに基づくスコアリング機能は、Einstein(AI)がスコアリングする Einstein Engagement Scoring(Advanced Edition 限定)とは異なる機能のため、区別して理解することが重要です。
事前準備
スコアリングルール設定で、統合個人プロファイルを「Unified Individual」に変更します。すでに「Unified Individual」である場合は、無視できます。

この事前に定義されたルールに基づいてスコアリングするプロセスでは、以下の 2 種類のスコアを「単独」または「組み合わせて」使用します。
1. スコアの種類
単独で使用
エンゲージメントスコア(Engagement Score)
これは MC Account Engagement(Pardot)でいうところの「Pardot スコア」です。顧客の WEB 上での行うアクションや送信されたメッセージをクリックすることなどで、スコアリングされます。
適合スコア(Fit Score)
これは MC Account Engagement(Pardot)でいうところの「グレード」です。会社内における役職や会社の規模、立地条件などの「属性情報」から、スコアリングします。
組み合わせて使用
全体スコア(Overall Score)
上の 2 つのスコアを組み合わせて使用します。その配分(重み付け)は自由に設定可能です。例えば、エンゲージメントスコアを 60%、適合スコアを 40% とするなど、ビジネスニーズに応じて調整できます。

2. エンゲージメントスコアの計算方法
アクションごとにポイントが付与され、複数のチャネルでのインタラクションに基づき累積されます。さらに、以下のルールが適用されます。
正のポイント
ポジティブな行動(例:フォーム送信、ボタンクリックなど)によって、「加算」されます。
負のポイント
ネガティブな行動(例:エラー、購読解除など)によって、「減算」されます。
デフォルトのスコアリングルール
エンゲージメントスコア
ウェブサイトエンゲージメント
エラー:-5 ポイント
フォーム送信:+10 ポイント
アンカークリック:+3 ポイント
ボタンクリック:+3 ポイント
検索:+3 ポイント
ページビュー:+1 ポイント
メッセージエンゲージメント(※ SMS、WhatsApp 用)
購読:+5 ポイント
クリック:+3 ポイント
購読解除:-5 ポイント
メールエンゲージメント(※ Email 用)
クリック:+3 ポイント
購読解除:-5 ポイント
※メールの開封は設定されていません。
適合スコア
連絡先情報
住所:国=アメリカ合衆国の場合:+3 ポイント
スコアの活用
これらのスコアは「計算済みインサイト」を通じて自動的に集計され、フローの分岐で活用したり、配信リスト用のセグメントで活用したり、CRM レコードページに表示することが可能ですし、一定のスコアに達した場合にフローを起動させて、Todo 登録することなども可能です。

CRM レコードページへの表示については、以下の記事で紹介しています。
スコアリングルールに関する注意点
スコアリングルールを公開すると、Data Cloud に保存されている関連データに基づいて、遡及的に(過去分に遡って)スコアリングされます。さらに、ルールを設定のため、以下のポイントを押さえましょう。
1. 属性値の入力と設定の正確性
ルールをカスタマイズまたは追加する際は、属性値を正確に入力することが重要です。大文字と小文字の区別も正しく行いましょう。
例:メールの購読解除を指定する場合、「UNSUBSCRIBE」と正確に入力します。
Tips: 属性値が正確であるかを確認するためには、テキストデータ型フィールドの「値の提案」機能を有効にします。
2. エンゲージメントルールと適合ルールの設定上限
エンゲージメントルールと適合ルールは、最大 30 個まで設定可能です。
各ルールには、最大 10 個の条件を設定できます。条件グループ内にネストされた各条件も、この上限にカウントされる点に注意してください。
3. スコアの計算方法
「エンゲージメントスコア」と「適合スコア」は、それぞれ単純なポイントの合計値として計算されます。
ただし、「全体スコア」は、0 ~ 100 の範囲に正規化されます。
4. 古いエンゲージメントデータを除外する
古いエンゲージメントデータを使用したくない場合は、日付データを条件として活用し、直近のデータのみを使用してスコアリングするようにしてください。
参考:取引先スコアリングについて
今回の記事は、「人のスコアリング」(統合個人用)が中心でしたが、「取引先スコアリング」(統合取引先用)というスコアリング機能もあります。
ただし、この「取引先スコアリング」は Advanced Edition でのみ提供されています。「人」と「取引先」の設定画面は画面上部の「タブ」で切り替える形となっています。
取引先全体スコア (Account Score)
取引先適合スコア、取引先エンゲージメントスコア、およびオプションで取引先インテントスコア の合計
取引先適合スコア (Account Fit Score)
取引先属性を基にしたスコアリング
取引先エンゲージメントスコア (Account Engagement Score)
顧客自身の行動に基づくルールベースのスコアリング
【オプション】取引先インテントスコア (Account Intent Score)
顧客自身の購買意欲に基づくルールベースのスコアリング
※ この「取引先スコア」は、セグメント作成等に活用できますが、現時点では「取引先レコードページ」に表示させることはできません。
※ セグメント活用の例:高いエンゲージメントスコアを持つ取引先に所属する統合個人を対象に、無料相談の案内メールを送信するなど。
いかがでしたでしょうか。
今回の検証を通じて、「適合スコア」については、日本においてデフォルト設定のままだと、何も設定されていない状態であることが分かりましたね。
この「適合スコア」は、「役職」などの属性データに加えて、Individual に関連するデータモデルオブジェクトの項目も利用できます。例えば、「購入データ」と関連付けられている場合、特定の商品を購入した人に対して 20 ポイントを付与する、といった設定も可能です。スコアリング機能を有効化した後は、自社のニーズに合わせた条件設定を忘れずに行うことをお勧めします。
また、Winter '26 のリリースでは複数のスコアリングモデルを利用できるようになりました。以下の記事で詳細を確認してください。
今回は以上です。
