【第17回】 Behavioral Triggers の「抑制ルール」について
今回、割と専門的な話です。Salesforce Marketing Cloud に携わっていたとしても、Behavioral Triggers に関しては、全く触ったことすら無い方も多いと思いますので、読み飛ばしOKかと思います。
Behavioral Triggers とは、Salesforce Marketing Cloud の機能の中でも比較的新しい機能です。Behavioral Triggers = 行動トリガー(トリガーとは、ピストルなど火器の引き金の意味)という名前がついているだけあって、ある行動をきっかけに、自動的に(メールなどが)発射される仕組みを作る機能です。
Salesforce Marketing Cloud 標準で用意されている行動として「カート放棄」「WEB閲覧放棄」「欲しいものリスト放棄」の3つがあります。それぞれ、皆さんが想像するような、文字通りのイメージとなりますが、各行動後、数日間放置した場合に「◯◯が、カートに残ったままになってますよ。」「WEBページで、◯◯をご覧になった方へのオススメはこちら。」「欲しいものリストにある◯◯の在庫は後少しです。」という言うようなメッセージが、Salesforce Marketing Cloud から自動的に発射されます。世の中の企業というものは、こういう機能を使って、皆さんにメッセージを送っているわけですね。
では今回は、その Behavioral Triggers 機能の具体的な実装方法ではなく、言葉としてもイメージしずらい「抑制ルール」について、書いてみたいと思います。
抑制ルールとは 「カート放棄メールを今日送ったから、その後、3日間はメールを送りたくない!!」など、自動で送信されるメッセージに対して、抑制のための期間を設けて、制限がかけられる機能になっています。もしこれがないと、例えば、WEBを見る度にメールが飛んでしまう等、メッセージを送り過ぎてしまう危険性がありますね。そのため「◯日は送信しない」というような抑制期間を設定することができます。
それでは「抑制ルール」を使った上で、送信がトリガーされるイメージを見てみましょう。
トリガー起動日(2023年4月1日 PM15:00に、トリガーがあった場合)
・抑制ルールの設定期間:「0日」だった場合
→ 2023年4月2日 AM9:00以降に、次のトリガーを起動させることができる
・抑制ルールの設定期間:「1日」だった場合
→ 2023年4月3日 AM9:00以降に、次のトリガーを起動させることができる
・抑制ルールの設定期間:「2日」だった場合
→ 2023年4月4日 AM9:00以降に、次のトリガーを起動させることができる
(以下同じ)
まず、最も基本的なルールとして、Behavioral Triggers を使って送信できるメッセージは、1日に1通のみに限定されます。
3つのトリガータイプが用意されていると言いましたが、抑制ルールは、これらの3つそれぞれに設定自体は可能です。カート放棄は「2日」だが、WEB閲覧放棄と欲しいものリスト放棄は「7日」にしたいなど、ということも可能であり、カート放棄が「2日」なので、他も「2日」になるということはない、ということです。
ただし、注意点があります。3つのトリガータイプが、もし「同じ日」に発生した場合は、最初の1つ目のみのトリガータイプのみ処理されます。後続のものは送信されません。
また、同一のセッションタイムの時間内において、同時に3つのトリガーが実行された場合は、①放棄放棄>②欲しい物リスト放棄>③閲覧放棄で、1つのトリガーだけが起動します。(つまり、実行順ではありません)
セッションタイムというのは、データを取り込むまでの「タイムラグ」と考えてください。例えば、カート放棄って、入れた直後の10秒間であっても放棄状態じゃないですか?でも、それって放棄って言わないですよね。そこで「5時間経ったら放棄とする」みたいな時間的な猶予を設定できるようになっています。
では、その期間中に、例えば、カート放棄の他、欲しい物リストにも商品が入る可能性もありますよね。そうなった場合は、①放棄放棄>②欲しい物リスト放棄>③閲覧放棄の順で優先度が与えられて処理されますよ、という話です。
以上のような、何だか細かいルールがありつつ、今回お伝えしたかった最大のポイントは、抑制期間が「0日」なら、抑制ルールが「なし」なのではなく、翌朝のAM9:00までは抑制されてしまい、トリガー送信することができないという点です。
すでにお伝えした通り、Behavioral Triggers では、1日1回しかトリガーできませんが、一体これは「どの時間」から「どの時間」を指すのでしょうか?
これは、行動の起点から24時間という意味ではなく 「カレンダーベース(暦日)」 で計算されます。そして、これらの挙動はすべて「UTC(協定世界時)」基準(日本との時差は9時間)で挙動します。つまり、日本時間の午前9時に一度リセットされます。日本だと、午前9時にリセットですが、例えば、インドの場合は、UTC との時差が5時間30分ですので、午前5時30分にリセットされます。
これは、なかなか調べないと分からないですよね。少し細かい話が続きましたが、この Behavioral Triggers の「抑制ルール」の理解は大事ですので、覚えておいて頂ければと思います。
今回は以上です。
