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【第402回】 Data Cloud : セグメントのグルーピング、ランキング、リミット

2025 年 10 月の Data Cloud 新機能リリースで追加された Group・Rank・Limit(GRL)機能は、マーケターがセグメントをより戦略的にコントロールできる非常に強力な新機能です。

従来のセグメントは、条件に合致したプロファイルを「そのまま全件抽出する」性質があり、アカウント単位での優先度管理や人数の上限設定といった高度な要求には対応しづらい状況でした。

しかし GRL の登場により、Data Cloud のセグメントは 「より価値の高い顧客に、より適切にリーチする」 ための実践的な機能へと進化しています。

この記事では、GRL の基本からユースケースまで、できる限りわかりやすく、かつ実務的な観点で解説します。


Group・Rank・Limit(GRL)とは

GRL は Group(グループ化)・Rank(順位付け)・Limit(件数制限) の 3 つを組み合わせ、1 つのセグメント内で適用できる新しい機能です。

これにより、マーケターは GUI 上だけで以下のような高度な制御が可能になります。

  • アカウント単位での人数制限(例:1 社につき上位 2 名まで)

  • グループ内での優先順位付け(例:役職の高さ、作成日の降順、年間売上の降順)

  • Include / Exclude 条件に追加で適用する精緻な絞り込み

これまで Excel やクエリで行っていた実務的な要件を、Data Cloud 上でそのまま実現できます。


GRL を使用する際の重要な考慮事項

便利な機能ではありますが、実務でつまずかないために押さえておくべきポイントがいくつか存在します。

① GRL はプロファイル DMO のセグメントでのみ利用可能

以下のケースでは使用できません。

  • エンゲージメント DMO

  • その他カテゴリ DMO

  • 子セグメントとして使われている場合


② Include / Exclude の結果に “追加で” GRL が適用される

GRL は「後処理」として動くため、まずは基本的なベース条件設計が非常に重要になります。


③ 使用できるのは “直接属性(Direct Attributes)” のみ

関連オブジェクト経由の項目は利用できません。
必要に応じてデータ設計側で調整が必要です。


④ パス選択はルールセット単位で設定

1 つのルール単位ではなく、ルールセットごとに経路(パス)を指定します。


⑤ ルールセットは最大 3 セットまで構成可能

構成可能なパターンは以下の通りです。

  • Limit のみ

  • Limit + 最大 3 つの Sort(=降順・昇順)

  • Limit + 最大 3 つの Group

最大  3 セットまで、複数のセットを定義できます。
最下部にあるルールセットから順に実行され、その結果が上位セットに引き継がれます。


実際のビジネスユースケース

GRL が最も力を発揮するのは、
「グループ内で優先順位付けを行い、さらに人数を制限する」
という現実的なマーケティングシーンです。

代表的な 2 つのユースケースをご紹介します。


ユースケース①

エグゼクティブ向け VIP 招待を送るテクノロジー企業

ある企業が大規模なグローバルカンファレンスを開催し、業界のエグゼクティブに特別招待を送りたいと考えています。

しかし、ひとつのアカウントには役職レベルが異なる多くのコンタクトが存在し、予算の都合上、全員を招待することはできません。

このような場面で GRL が活躍します。

✔ 解決策:アカウントごとに “上位 2 名のシニア層” を抽出

  • Group:AccountId

※属性パスが表示された場合は、最短のものを選択してください。

  • Rank:役職(seniority)

注意:数式項目などで役職ランクのようなものを作る必要はあります。

IF(sourceField['Title'] == "CEO", 1,
  IF(sourceField['Title'] == "VP", 3,
    IF(sourceField['Title'] == "Manager", 5,
      99
    )
  )
)
  • Limit:各アカウント 2 件まで

結果的に、取引先責任者のアカウントの登録が 3 社ありましたので、2 x 3 社 で 計 6 名が取得されました。

これにより、顧客企業ごとに最も役職の高い人物だけを確実かつ自動で抽出できるようになりました。


ユースケース②

年間所得に基づき “トップ X 名” を抽出する金融企業

CRM と外部の富裕層データを組み合わせ、顧客を年間所得でランク付けしている金融企業の例です。

企業は「VIP クラブメンバーシップ」のオファーを最上位顧客に送付したいと考えています。

✔ 解決策:年間所得の “上位 X 名” を抽出

  • Sort:年間所得(降順)

  • Limit:上位 X 名

これにより、最も価値の高い顧客層に限定した戦略的なキャンペーンを実施できます。


GRL を活用することで得られる効果

GRL の導入によって、マーケティング活動には以下のような効果が期待できます。

  • コンバージョン率の向上
    価値の高い顧客へ優先的にアプローチできます。

  • マーケティング予算の最適化
    過剰なターゲティングを避け、限られた予算を最大限に活かせます。

  • バランスの良いオーディエンス設計
    アカウント偏重を防ぎ、より公平にリーチできます。


いかがでしたでしょうか。

Group・Rank・Limit(GRL)は、これまで手動作業や複雑なクエリで対応していた要件を Data Cloud の標準機能でシンプルに解決してくれる強力なツールです。

  • アカウントごとに上位 N 名を抽出したい

  • 顧客をランキングして、敢えて上位層だけを対象にしたい

  • 予算を適切に配分したい

こういったニーズを持つマーケターにとって、GRL はまさにゲームチェンジャーと言えます。

今回は以上です。


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