【第369回】 Marketing Cloud Next : パーソナライズの初期セットアップ
Marketing Cloud Next の Personalization(日本語名:パーソナライズ) は、Data Cloud と連携して、ユーザー一人ひとりに最適化された体験を提供するアプリケーションです。目標ベースやルールベースのコンテンツターゲティングを活用することで、ユーザーごとにカスタマイズされたおすすめやコンテンツを配信できます。
本記事では、この パーソナライズの初期セットアップ手順 を、ステップごとにわかりやすくご紹介します。
注意事項:SDO でテストできますが、SDO のデータグラフは 3 つまでしかビルドすることができません。このパーソナライゼーションにおいては 2 つのデータグラフを利用することになるので、すでに 2 つのデータグラフを利用している場合は、新規の SDO でテストしてください。
① パーソナライズ ホームの確認
1. 契約済みアカウントの場合、通常はパーソナライズアプリのインストールと基本設定が完了しています。そのため、アプリランチャーに「パーソナライズ」が表示されているはずです。

2. アプリランチャーから パーソナライズ をクリックすると、スタンドアロン型のパーソナライズアプリケーションのホーム画面が開きます。ここから各種機能にアクセスできます。

② 権限セットの作成と更新
パーソナライズを利用するには、事前に必要な権限セットを準備する必要があります。公式のヘルプドキュメントの手順に従い、以下の 2 つを作成・更新してください。

1. Personalization Admin 権限セットの作成
システム管理者に割り当て、パーソナライズの各種管理操作を実行できるようにします。
※ 同時に Personalization Intelligence User も追加 してください。
2. Data Cloud Salesforce コネクタ権限セットの更新
Salesforce CRM、Data Cloud、パーソナライズを連携させるために必要な権限を付与します。
※ 環境によっては既に設定済みの場合があります。その場合でも、正しく割り当てられているか必ず確認しておきましょう。
③ 基盤データのリリース
1. まず、Data Cloud のリリースを完了させておいてください。完了を確認したら、画面右上の歯車アイコンから 「パーソナライズ設定」 を開きます。

2. 通常、設定状況は「成功」と表示されているため、次の Foundational Data(基盤データ)のリリース を開始します。この処理によって、パーソナライズを動作させるためのオブジェクトや、事前定義された計算済みインサイトが展開されます。

3. リリースの完了には およそ 5 分程度 かかります。

展開されるマッピング済み DMO
Personalization Point
Personalization Decision
Personalization Response Template
Personalizer
Personalization Log
※ 既に同名の DMO が存在している場合でも、リリースを実行すると自動的にマッピングされます。


展開される定義済みの計算済みインサイト
Daily Personalization Requests と Daily Personalization Uniques という 2 種類の計算済みインサイトが展開されます。

⚠️ これらのインサイトはリリース直後にはスケジュールされていないため、必ず手動でスケジュールを設定する必要があります。
また、一度のリリースで展開されていない場合は、再度「リリース」ボタンを実行するとインストールされることがあります。
④ Pipeline Intelligence Dashboard の設定
1. 先ほどの手順で 計算済みインサイトがリリースされたことを確認したら、環境で 「CRM Analytics」 が有効化されていない場合は、[有効]ボタンをクリックします。

2. CRM Analytics を有効化します。

3. 有効化にはおよそ 1 分程度 かかります。完了したら、再び パーソナライズ設定 に戻ります。

4. 「Personalization Pipeline Intelligence Dashboard」 をインストールします。
このツールは、マーケティングメールの動的コンテンツを作成し、マーケティングキャンペーンでパーソナライズされたメールの効果を測定するダッシュボードです。

5. インストールには 1〜15 分程度 かかります。

6. 完了後、「Personalization インテリジェンス」タブで、分析が閲覧可能になっていることを確認します。

⑤ アトリビューション分析用オプション設定
1. カート追加・注文・売上のアトリビューションを追跡・分析したい場合は、事前構成済みのアトリビューションデータをオプションでリリースできます。

この分析には、以下 3 つの標準 DMO の利用が必須です。
Product Browse Engagement
Shopping Cart Engagement
Product Order Engagement
2. アトリビューションデータは、任意のデータスペースにリリース可能です。すでに設定済みの場合でも、自動で重複チェックが行われます。

3. リリースを実行すると、選択したデータスペースに以下が設定されます。
必要な DLO
事前構成済みアトリビューションモデル
ファーストタッチ(FT):最初の接点
ラストタッチ(LT):最後の接点
※ アトリビューションモデルとは、「どの接点にどの程度の成果を割り当てるか」を決める仕組みです。

4. まれに、以下のようなマッピング不足が原因でエラーが発生することがあります。

ngagement カテゴリにある 「Experience_Cloud_Event_Connecto」DLO の All Event Data 内の deviceId が、Shopping Cart Engagement の individualId とマッピングされていない場合に発生します。
リリースの実行前に必ずマッピングを行い、保存してください。
5. リリースの完了には およそ 5 分程度 かかります。

⑥ デフォルトのパーソナライズポイント認証
最後のセクションでは、パーソナライズポイントの設定時にオプションとして用意されている 「認証設定」 を、デフォルトで有効化するかどうかを選択できます。鉛筆マークをクリックして、チェックボックスを表示します。

有効化すると、パーソナライズポイントの設定でリアルタイムイベントを Data Cloud に送信したり、Data Cloud から推奨事項を取得したりする際に、認証済みのエンドポイントのみが使用されるようになります。この機能は Spring '25 の新機能リリースで登場しました。
下記の通り、チェックは自動的に入りますが、必要に応じてオン/オフを切り替えられ、デフォルト設定自体も後から変更可能です。

「認証済みのパーソナライゼーションリクエスト」について
一般公開されているウェブサイトで使用される場合は、「認証されていないパーソナライゼーションリクエスト」を利用します。
一方、追加のセキュリティ層を必要とする顧客向けに、パーソナライゼーションは認証済みの意思決定エンドポイントもサポートしており、意思決定リクエストへのアクセスを保護するパーソナライゼーションポイント認証設定が提供されています。
いかがでしたでしょうか。
本記事では、パーソナライズの初期セットアップ手順として、アプリの確認、権限セットの準備、基盤データのリリース、分析ダッシュボードの設定、アトリビューション分析用オプションをステップごとに解説しました。
これらはパーソナライズを利用する上での基本的な手順です。
この後の Salesforce Personalization の設定については、公式ワークショップに沿って進めていただくことをおすすめします。最も信頼性が高く、体系的に理解できるため、こちらを参考にしていただくのが最適です。
今回は以上です。
