【第46回】SNSでの他人の成果と比較して落ち込んだときの対処法<Part 7>
これまで何度か触れてきた「比較疲れ」について、今回はより具体的な対処法として掘り下げていきます。
SNSで他人の節約成果を見て落ち込んでしまったとき、その場でどう気持ちを立て直すかを整理していきます。
比較が起きる瞬間を理解する
第5回・第12回で触れてきた比較疲れは、多くの場合、意図せず訪れます。
何気なくタイムラインを眺めていたときに、他人の成果報告が目に入り、無意識のうちに自分と照らし合わせてしまう——この一連の流れは、ほとんど反射的に起きるものだと考えられています。
まず理解しておきたいのは、比較してしまうこと自体は自然な反応であり、それ自体を責める必要はないという点です。
問題は、比較した後にどう気持ちを扱うかにあります。
落ち込んだときの初動対応
1. その場でタイムラインを閉じる
落ち込みを感じた瞬間は、そのままタイムラインを見続けるのではなく、一度アプリを閉じることが有効です。
第12回で触れた通り、比較疲れは繰り返し目にすることで蓄積していくため、その場で情報の流入を止めることが、悪化を防ぐ最初の一手になります。
2. 「見えている情報」の性質を思い出す
第9回で触れた通り、SNS上の投稿は生活実態の一部であり、編集や見せ方の工夫が加わっていることも多いという前提を、意識的に思い出します。
「この投稿の裏側には、見えていない部分もあるはずだ」と一度立ち止まって考えることで、比較の重みを軽くすることができます。
3. 自分の記録に目を向ける
第23回で扱った「節約年表」や、第11回の"ノウハウ帳"のような、自分自身の記録があれば、それを見返す時間を作ります。
他人の成果ではなく、自分自身の歩みに視点を戻すことで、比較による焦りを、自分のペースへの意識に置き換えることができます。
落ち込みの根本にあるものを見つめる
一時的な対処に加えて、なぜその投稿に対して特に落ち込んだのかを、少し時間を置いてから振り返ってみることも有効です。
「自分も同じ目標を持っているのに、まだ達成できていない」という焦り
「自分にはあれだけの工夫ができない」という自己評価の低下
単純に、その投稿の内容が自分の状況と近すぎて、他人事に思えなかった
第30回で触れた「評価の軸を金額から行動に切り替える」視点は、この振り返りの場面でも活きてきます。
他人の成果と自分の成果を比べるのではなく、「自分は今、どんな行動を積み重ねているか」に意識を向け直すことが、落ち込みからの回復を後押しします。
比較疲れが繰り返し起きる場合の対処
一度の落ち込みへの対処だけでなく、比較疲れが繰り返し起きるようであれば、第12回で扱った「フォロー整理」の視点に立ち返る必要があります。
落ち込みの原因になりやすいアカウントを、ミュートやフォロー解除の対象として見直す
SNSを見る時間帯や頻度を、第12回で触れた「見る時間の制限」の発想で調整する
第31回で触れた節約疲れのセルフチェックリストと合わせて、休息が必要な時期かどうかも確認する
一度の対処療法だけでなく、根本的な環境調整も併せて検討することで、同じ落ち込みを繰り返しにくくなります。
比較の視点を「学び」に転換する試み
余裕があるときには、比較によって生まれた感情を、そのまま落ち込みで終わらせず、学びの材料として捉え直すという発想もあります。
「なぜあの投稿がうまくいったのか」を、感情ではなく仕組みとして分析してみる(第9回で触れた見極めの視点の応用)
自分にも応用できそうな要素があれば、無理のない範囲で取り入れてみる
応用できない要素(前提条件が違いすぎるなど)は、「自分には関係ない情報」として手放す
ただし、これは心に余裕があるときに限った話です。落ち込みが強いときに無理に前向きな学びへ転換しようとすると、かえって自分の感情を抑え込むことにつながりかねません。
まずは前述の初動対応で気持ちを落ち着けることを優先し、余裕が出てきたときに、この視点を試してみるとよいでしょう。
比較しない自分を目指す必要はない
最後に大切な視点として、「比較しない強い自分」を目指す必要はないということを確認しておきます。
比較は人間にとって自然な反応であり、それを完全になくすことは現実的ではありません。
目指すべきは、比較したときに落ち込みすぎず、適切に距離を取り、自分のペースに戻ってこられる状態です。
第6回で触れた「合格点」の思考習慣は、比較への向き合い方においても、完璧を求めない姿勢として活きてきます。
次回は、「完璧主義的節約」から抜け出すための考え方の切り替えを取り上げます。
比較とも関連の深い、完璧主義というテーマにさらに踏み込んでいきます。
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