【800字コラム】 二重国籍とか夫婦別姓とか
知り合いに「日本も外国のように二重国籍を認めるべきだ」と主張する人がいる。
自国のパスポートに信用がなく、渡航先の国から逐一ビザを求められるような事情がある国ならば、二重国籍が認められたほうが便利なのかもしれないけれど、日本はそんな情況にはない。
そして、我が国では安全保障と税務の両面から実現は困難と思っている。
たとえば僕が某国との二重国籍者だとして、日本国籍者として原子力発電所の図面の写しを手に入れたとする。
その僕が某国のパスポートで出国してその図面を他国に持ち出したり引き渡した時、某国人として日本国外にいる僕を、日本の法律がどう罰することができるのか。
原発はいささか大げさな例だけど、洗濯機の脱水に使う日本製のモータが、高性能なのでウランを濃縮する遠心分離機に転用可能だったという話も聞いたことがある。
家庭用機器にしか触らない一般市民であっても、安全保障上の事件に加担させられるリスクは存在する。
そして税金について。
僕が日本とは違う名前で某国のパスポートを持った場合、2つの違う名前を持つ人物が同一だと、両国の税務当局はどうやって判別できるのか。
ルールを悪用すれば、別人になりすまして旨いこと個人所得税を免れることが出来てしまうのではないか。
「なんで日本政府はワタシに二重国籍を認めてくれないのヨ」
などと、いかにもカジュアルにご主張なさっても、どんな国だって安保と税務のリスクを野放しにはできまい。
それらのリスクの穴を埋めるために少なくない税金を投入して、そこまでして実際に二重国籍を選ぶ国民がどれほどいるのかを考えたら、はじめから全面禁止にしておくのが、行政上最も合理的ということではあるまいか。
そして、当今議論になっている選択的夫婦別姓を推進したい人たちの本質は、自分が何者なのかを分からなくさせたいから、出自を消す必要があるからなのではないかと疑っているのだが、それはうがった見方だろうか
