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左右研究 #毎週ショートショートnote

昔々、世界は左右対称でできていた。
山も川も、人の顔も心も、すべてが鏡写しのように整っていた。
だが、神々のひとり「ヒダリノミコト」が、左手だけで歌を詠み、左足だけで舞を踊った。彼は“違い”に美を見出した最初の存在だった。
その歌に心を奪われたのが、「ミギノヒメ」。
右目に星を宿す、美しき女神。
彼女は右手でしか触れられない花を育てていた。
二柱は惹かれ合い、左右の神が出会ったとき、世界に“非対称”が生まれた。風は偏り、月は欠け、心は揺れた。

神々は怒った。「均衡が崩れる」と。

ヒダリノミコトは罰として地上に降ろされ、「左右研究」を命じられた。
人間の姿で、左右の“ズレ”に宿る美と真理を探す者として。
そして今も、誰かが左右の違いに心を寄せたとき―― ヒダリノミコトの血を引く者が、そっとその隣に現れるという。

右目に星を宿した誰かと、左手で詩を綴る誰かが、また出会う日を夢見て。

(383字)

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#左右研究

たはらかにさんの企画「#毎週ショートショートnote」に参加させていただきました!



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