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狐火バーベキュー #毎週ショートショートnote

昨年のキャンプでの出来事。
「夜になると狐火が出るんですよ」
キャンプ場の管理人が、冗談とも本気ともつかない顔で言った。
「へぇ、面白そうっすね」

男三人、山奥でバーベキュー。火を起こし、肉を焼いていると、
森の奥から、ふわりと青白い火が現れた。ひとつ、ふたつ、みっつ……気づけば囲まれていた。
「マジで狐火?」
ビビる俺たちをよそに、火のひとつが、トングで肉をひっくり返した。
絶妙な焼き加減。タレも完璧。狐火たちは無言で、次々と焼いていく。
「……うまい」
「なにこれ、なまら、うまくね?」
味付けもプロ。ニンニクと味噌を絶妙に混ぜたタレまで作ってくれた。
そして――。
満腹になったころ、狐火たちはフワリと空に浮かび、手を振るようにゆっくりと森へ帰っていった。
「……なんだったんだ、今の」
「いや、最高の狐火バーベキューだ!」

今年も、俺たちはあの山に行った。
俺たちは同じ場所で火を起こした。
すると、また狐火がやってきた。七味と柚子胡椒持参で。

(410字)

たはらかにさんの企画「#毎週ショートショートnote」に参加させていただきました。


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