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カウントダウンする脈拍 #毎週ショートショートnote

彼の心拍の音が、モニター越しに小さく鳴っている。
「ピッ、ピッ、ピッ」
まるで、私の気持ちに合わせて速くなったり、遅くなったりするようだ。

告白の言葉を飲み込んだまま、季節が三つ過ぎた。
あの日、彼は事故に遭い、こうして眠ったままの時間を刻んでいる。
医者は「奇跡を信じて」と言ったけれど、奇跡という言葉ほど残酷なものはない。
待つ者にだけ、無限の秒針を与えるから。

彼の手を握る。
あたたかい。
それだけで涙が出た。
「ねぇ、起きたら言うからね。ずっと言えなかった“好き”って言葉。」

モニターの音が一瞬だけ跳ねた。
ピッ、ピッ、ピッ……ピ。

静寂。
それでも私は、止まった彼の胸に耳を当てた。
どこかで、まだ彼の心が響いている気がしたから。

恋の鼓動は、止まる瞬間まで続く。
誰かを想う限り、カウントダウンは終わらない――

(346字)

#毎週ショートショートnote
#カウントダウンする脈拍

たはらかにさんの企画「#毎週ショートショートnote」に参加させていただきました!


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