【古墳症】#毎週ショートショートnote
最近、どうもおかしい。
休みの日になると、なぜか高いところに土を盛りたくなるのだ。
最初は庭の植木鉢だった。
土をこんもり盛り上げ、ついには前方後円形っぽく整えてしまった。
「疲れてるのかな」と思ったが、翌週には公園の砂場で同じことをしていた。
しかも、完成すると妙に満足する。
「うむ、五世紀後半の様式だな」などと、誰もいないのに頷いている自分が怖い。
病院へ行くと、医者はカルテを見ながら真顔で言った。
「典型的な古墳症ですね」
「そんな病気あるんですか?」
「ええ。重症になると、埴輪を並べ始めます」
帰宅すると、机の上に粘土が置いてあった。
無意識にこねてしまう。
気がつくと、丸い胴体に、ぽつんと目。
どう見ても、あれだ。
翌日、もう一度病院へ行った。
粘土の人形を見せると、医者は静かに言った。
「……もう手遅れですね」
私はため息をついた。
そして帰り道、ふと空き地を見つけてしまった。
――広さ、ちょうどいいな。
(394字)
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