チラ見バーガー #毎週ショートショートnote
昼下がりのハンバーガーショップ。私は一人でポテトをつまみながら、窓際の席に座っていた。向かいの席に座った彼が、バーガーを頬張るたびに、ちらちらとこちらを見てくる。いや、正確には「私の後ろ」を見ているのかもしれない。けれど、視線が重なるたびに、胸の奥が小さく跳ねる。
紙に包まれたハンバーガーを口に運びながら、私はわざとゆっくりと食べてみた。すると彼も同じタイミングでかぶりつく。
視線が合っては逸れ、また合っては逸れる――それはまるで、恋の駆け引きをハンバーガー越しにしているみたいだった。
気づけば、私は「チラ見バーガー」なんて心の中で名付けて笑っていた。
食べ終わるころ、彼は小さなナプキンに何かを書き、席を立つ前に私のトレーの端に置いていった。
「君の食べ方、かわいいね。またここで会えたらいいな」
震える指先でその文字を読みながら、私は思わず口元を押さえた。
次の約束なんて交わしていないのに、この店に来れば、また会える気がした。あの「チラ見」が、やがて本当の出会いや関係の始まりになる日を夢見て。
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