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〈かんたん版〉「真実と和解の日」ってなあに?【カナダの負の歴史】


カナダでは2021年から9月30日を「真実と和解の日」と呼んでいます。

この日は、故郷に帰ることが叶わなかったこどもたち、寄宿舎学校の生存者、そしてその家族を含む先住民コミュニティーの歴史をたたえる日です。

みんなでカナダの悲しい歴史を知り、仲良くする方法を考える大切な日です。この日は「オレンジシャツデー」とも呼ばれています。

「National Day for Truth and Reconciliation」のこと、
美しくて優しいだけでない、カナダの一面を知ってください。


1. 昔のカナダであった悲しいこと

昔、カナダには「寄宿舎学校(きしゅくしゃがっこう)」という特別な学校がありました。これは、カナダに昔から住んでいる先住民の子どもたちを、親元から無理やり引き離し、カナダ政府や教会が運営していた学校です。

目的は、先住民の言葉や文化を忘れさせて、当時のカナダの文化に合わせさせることでした。

何が起こったのですか?

     
時期  1830年代から1996年まで、長い間続きました。
人数  15万人以上の子どもたちが入学させられました。
学校の様子  
家族と離され、自分の家に帰ることも、親と会うことも、ほとんど許されませんでした。
・自分(先住民)の言葉を話すと罰せられました。
・多くの場所で、ひどい虐待やいじめがありました。
最後の学校  1996年に閉鎖されました。これは最近のことなのですね。

寄宿舎学校は、家族とずっと離れて暮らすことがルールだったので、子どもたちにとってとても悲しい場所でした。


2. 亡くなった子どもたちのこと

寄宿学校では、病気や栄養不足、虐待などで、たくさんの子どもたちが亡くなりました。

  • 亡くなった子どもの数は、分かっているだけでも4,100人以上です。

  • もっと多くの子どもが亡くなったと考えられています(最大で2万5千人という意見もあります)。

特に2021年には、カムループスという場所の学校の跡地から、215人の子どものお墓が新しく見つかり、カナダじゅうで大きな問題になりました。

*お墓と言っていますが、死んでしまったこどもたちを埋めていただけの場所でした。もちろん墓標はありません。

この出来事がきっかけで、「真実と和解の日」が国の祝日(うれしいお祝いではない日)になったのです。


3. 「オレンジシャツデー」の意味


この日は、寄宿学校で悲しい思いをしたすべての子どもたちのことを忘れないように、オレンジ色のシャツを着ます。

これは、フィリス・ウェブスタッドさんという女性が、学校に入学した日に、おばあちゃんにもらった大切なオレンジ色のシャツをすぐに取り上げられてしまった、という実際の経験から始まりました。

オレンジ色のシャツは、「すべての子どもは大切だよ (Every Child Matters)」という大切なメッセージを伝えるためのシンボルです。

フィリス・ウェブスタッドさん
学校運営のシスターに責められている
ビーズのオレンジTシャツ

*ほかの子どもたちも、カラフルな色の服は全部取り上げられました。
その中でも、彼女の話からオレンジがシンボルカラーになりました。


4. 日本人・日系人として考えること


私たち日本人・日系人にも、カナダで差別を受け、つらい思いをした過去の歴史があります。

第二次世界大戦のとき、カナダ政府は日系人の財産を取り上げ、強制的に収容所(しゅうようじょ)に送るというひどいことをしました。当時の日本人や日系人は、国籍に関係なく「敵だ」と決めつけられ、自由や尊厳を奪われたのです。

先住民の人たちが受けた苦しみとは理由が違いますが、「国や政府の政策によって、特定の人たちが差別され、人権をひどく侵害された」という悲しい歴史を、私たちは知っています。

だからこそ、私たちは、自分たちの祖先が受けた苦しみから、「悲しい出来事を二度と繰り返さない」こと、そして「今苦しんでいる他の人の気持ちを理解し、一緒に助け合うこと」がとても大切だと、強く学ぶことができるのです。


5. 私たちにできること

カナダに住む私たちは、この歴史を知り、先住民の人たちと「和解(わかい)」し、仲良くしていくことが大切です。

私たちにできる行動

学ぶこと  
悲しい出来事があったことを忘れず、真実を知ろうとすることが和解の始まりです。

オレンジ色の服を着る  
9月30日にオレンジ色の服を着て、亡くなった子どもたちを追悼する気持ちを表します。

先住民を応援する  
先住民の文化やイベントを尊重し、応援することで、一緒に未来を作る仲間だと伝えます。


9月30日は、「忘れない日」であり、「みんなが大切にされる社会を作ろうと誓う日」なのですね。


温和で穏やかなイメージのカナダですが、このような悲しい歴史もあります。カナダを旅する人たちも、まだカナダに来たことがない方にも知ってほしい事実です。


かなり詳しい保存版も後日お伝えします。

おわり、またね!