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地方ゼネコンの住宅事業が伸びない理由とは?成功するための攻略法を考える

|地方ゼネコンの住宅事業によくある課題

営業活動で複数社を訪問しました。その中で印象的だったのは公共事業を主力とする地方ゼネコンの住宅事業部との商談が続いたことです。長年さまざまな住宅会社をコンサルティングをしてきましたが、地方ゼネコンの住宅事業には共通する特徴があります。

まず会社全体の売上は数十億円規模で安定しています。しかし住宅事業だけを見ると、思うように成長していないケースが非常に多く見受けられます。その理由は住宅事業そのものが会社の中心事業ではないためです。住宅事業部は会社全体の売上構成比が低く、経営資源も十分に投入されません。事業計画も曖昧なまま「好きにやってみたら」というスタンスで運営されているケースも少なくありません。集客についても昔ながらの紹介営業が中心です。地主やオーナーからの紹介で高価格帯の住宅を建てることはありますが、一般消費者向けのマーケティングやブランディングへの投資は非常に限定的です。

経営者自身も住宅事業への関心が高くないため経営会議に出席することも少なく、住宅市場の変化を把握していないことも珍しくありません。さらに形のない価値を提供するコンサルティングには慎重である一方、FCやVCなど目に見える仕組みには興味を示します。しかし商品を導入するだけでは業績は改善せず「思ったほど成果が出なかった」と不満を抱くケースも少なくありません。

|地方ゼネコンは大きく2つのタイプに分かれる

私の経験では地方ゼネコンは大きく二つのタイプに分類できます。ひとつ目は「慎重すぎるタイプ」です。何を提案しても決裁までに時間がかかり、社長がほとんど出てこないため現場担当者だけでは何も決められません。広告費も人材採用も設備投資も承認されず、住宅事業を伸ばしたくても伸ばせない状況が続きます。もうひとつは「決裁が早いタイプ」です。こちらは比較的スムーズに契約まで進みます。しかし意思決定が早い反面、事業運営に課題を抱えていることも多く、後からさまざまな問題が表面化するケースもあります。

どちらにも共通するのは住宅事業の生殺与奪権が住宅事業の担当者にはなく、本社や経営層にあるということです。つまり現場がいくら危機感を持っていても経営者が住宅事業の重要性を理解していなければ、大きく変わることはありません

過去に比較的うまくいった会社もありましたが、その企業でさえ住宅事業が黒字であるにもかかわらず販促費は増えず、新規出店も採用強化も実施されませんでした。短期的には利益が出ても中長期では競争力が低下し、いずれ業績は伸び悩みます。住宅事業は継続的な投資があって初めて成長できる事業なのです。

|住宅事業を成功させるために最も必要なこと

これまで数多くの会社を見てきて、最も大きな課題だと感じるのは企業文化です。住宅会社はお客様の人生最大級の買い物に携わる仕事です。しかし中には公共事業の文化が色濃く残り、お客様との向き合い方に違和感を覚える会社もあります。例えば見学会の案内では「〇〇様邸完成見学会」ではなく「〇〇邸完成見学会」という表記になっていたり、社内でも「〇〇様」ではなく「〇〇邸」と呼んでいたりします。細かなことに思えるかもしれませんが、こうした言葉遣いには会社の価値観が表れます。

またOB感謝祭やオーナーイベントのように、お客様との関係を育てる施策を何度提案しても実施しない会社も少なくありません。以前、ある地方ゼネコンの経営者が「数千万円程度の住宅の客の要望なんて聞いていられない」と話しているのを耳にしたことがあります。公共工事と住宅では売上規模が違うのは事実です。しかし住宅事業はお客様一人ひとりの人生に寄り添う仕事です。その価値観がなければ長期的に選ばれる住宅会社にはなれません。

地方ゼネコンが住宅事業を本気で伸ばしたいのであれば「公共事業が好調だから」という考え方から脱却する必要があります。公共事業は景気や政治、行政予算の影響を大きく受けます。だからこそ比較的景気変動に左右されにくい第二の収益の柱として住宅事業を育てることが重要です。住宅事業は片手間で成功するほど甘い市場ではありません。経営者自身が住宅事業を会社の未来を支える事業として位置付け、マーケティング、人材育成、商品開発、顧客満足への投資を続けていくことが、これからの地方ゼネコンに求められる最大の経営課題ではないでしょうか。地域の活性化のために地方ゼネコンの役割は重いと感じています。

まとめ

  • 地方ゼネコンの住宅事業は経営者の本気度が業績を左右する

  • 公共事業依存では住宅事業は持続的に成長しない

  • お客様第一の企業文化こそ住宅事業成功の最大の土台である


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