ナフサショック後の住宅業界はどう変わるのか?
|リーマンショック、コロナ禍、そしてナフサショック…
私は2005年の「姉歯事件」の頃から20年以上コンサルタントとして住宅業界に関わらせていただいていますが、ゲームチェンジが起こったと感じたときが、これまでに2回ありました。
1回目は約20年前の2007年からのリーマンショック。リーマンショック前と後で大きく変わったのはプレイヤー(企業)です。それまで業績好調だった会社が失速し、現在、業績好調な会社はほとんどがリーマンショック後に台頭してきた会社です。私が知る限り地場の工務店でリーマンショック前から今でも地域でトップを走り続けているのは2社だけです。
2回目は2020年からのコロナです。コロナ前と後で鮮明になったのは伸びる会社と伸びない会社の二極化です。地域No.1の会社ほどこのタイミングで一気に業績を伸ばしました。飲食業や観光業は大変でしたが、住宅業界全体としては“巣ごもり需要”も相まって業績は好調でした。
しかし2023年から大倒産時代を迎えます。理由は新型コロナウイルス感染症の影響で資金繰りが厳しくなった中小企業などに対し、政府が実質無利子・無担保で行った緊急融資(ゼロゼロ融資)の返済のピークが2023年7月から2024年4月にかけて迎えたためです。
この状況は今も続いており、倒産要因の中に“新型コロナウイルスの影響で受注が減少し”と一文が書かれてあります。コロナ禍は業界全体が好調だったにも関わらず、コロナの影響で倒産に至る会社もあれば、さらに業績が拡大した会社もあるというまさに二極化が鮮明になったのです。
|コロナ以降に業績が伸びた会社と失速した会社の決定的な違い
その差を決定づけたのは経営者の意識です。ちょうど7年前の4月から5月にかけて。集客イベントを行うか否かで経営者の意識は真っ二つにわかれました。当然ながら集客をしなければお客様が来ませんので契約はありません。また住宅ビジネスは、今月集客したお客様が契約するのが3~6ヶ月後で、工事が着工し完成して引渡までが契約から4~6ヶ月かかりますので、今月の集客をストップするということは少なくとも年内の売上はゼロということです。
なぜ集客を行うかどうかが議論になったのは、政府による緊急事態宣言の発出です。一番不安感が強かった1回目が2020年4月7日~5月25日でした。私の主張は「政府が住宅会社に対してイベント禁止と言ってきているわけではないので、感染対策をきっちり行ったうえで通常通り集客を行っていきましょう」。
通常通り行った会社が2割。私に相談してきて行った会社が3割。説得したにも関わらず「うちの地域は田舎だから感染者を出すと…」という言い訳で行わなかった会社が5割(恐らく世の中的にはこの時期に通常集客を行っていた会社の方が少ないと思われます)。その差が4年後に出ました。倒産に至らずとも業績不振に陥った会社は行わなかった5割でした。因みに、その期間は多くの会社が集客を行っていなかったので集客も好調でした。
|コスト高の先にある構造変化と新たなチャンス
当時の空気感と今の空気感は似ている気がします。「(コロナorナフサで)今はこんな状況だから…」とどうすることでもできない外部環境を憂うのではなく「こんな状況だからこそ!」と前を向くことです。まさにチャンスだと言えます。実際、私のクライアント先ではお客様の方から「今契約しないといつ家が建つかわからないよね⁇」と時期を決めていただけるので契約も好調です。
コロナ脳と揶揄されましたが、経営者自身がナフサ脳なんてことにならないようにしなければなりません。今回のナフサショックでゲームチェンジどころかゲームオーバーで業界再編の決定打になるように感じています。
|まとめ
過去の歴史(リーマンショックやコロナ禍)から学ぶことは重要
どうすることもできない外部環境を憂うのではなくできることを行う
ナフサショックの非常時こそ攻める姿勢をゆるめないこと
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