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人魚の楽譜(2006年9/15・エッセイ)
昨日、テレビでシンクロナイズドスイミングを観ていた。もちろん日本も素晴らしいと思った。一番真剣に観ていたのは日本なのだが特に、ロシアの選手達の演技に視覚的なリズムを感じた。
ソロで演技する選手の足さばきによって、水面に綺麗な円が生まれる。音楽と共にくるくる回る円。それは水の上で音を奏でるディスク。実際は音の聞こえてくる方向は水の中とは違う場所。しかし、その水の円を見つめているとあたかも円の中心にいる競技者が音を奏でているような。
また、プールのコースに設けられたラインを見る。それは、楽譜でいうところの五線譜。
その線の上を競技者達が、音符となって様々なメロディーを体現していく。
途中で、三角のギターピックがくるくる回る。
音符は、全ての瞬間において完璧な調和のとれた音楽を奏で続けた。
最後は、ある一人の音符が高く4分休符の形をとって音楽が完成形となった。
水の上が楽譜の紙面になった。競技者が音符になった。競技者同士が同調して音楽になった。そして、最終的には全ての国の音楽が綴られた曲集になる。それは曲集であって、勝ち負けもない。一番いい曲もない。一番悪い曲もない。ただ、それは競技する者の精神の込め方、鍛錬の具合、そういったもので優劣が付くのみだ。
音楽も水上の競技も、素晴らしさを決める基準というのは何ら変わりないのかも知れない。
