落葉に眠る記憶補完(仮
R8.8.15
▪️物語上の重要設定
(※紅葉(もみじ)とカエデについて)
本作では便宜上、「紅葉」は観賞用に整えられたイロハモミジ系の樹木を指し、「カエデ」は山野に自生する別系統のカエデ類を指す。
▪️紅葉街道の剪定・伐採作業について
例年春(3月)と初冬(11月)の2回行われる。3月は枝打ちしながら伸びる方向を
調整し、枝・葉が2mより降りて(垂れて)
こないよう注意を払っている。11月は、枯死した枝の処理と落葉の掃除がメイン。紅葉(こうよう)が落葉に変わるまで待ってから処理するため年によっては多少前後する。
村の青年団が引き受け、声を掛け合い
自主的に日程を決め、実施する。
観光産業のベースである街道の紅葉の状況を見て剪定時期を決めている。
街道途中にある橋についても定期的に
村内で自主点検等がなされている。
▪️青年団について
青年団は、主に村内の公共的労働力の
担い手。消防・防災・自警をはじめ農業
・林業・他・緊急時の対応にも駆り出さ
れる。構成は、各家の18〜65歳の男子
であり、男子の居ない家からは出さなく
て良い(ただし、女手が必要な場合は逆)
▪️村の規模
村は大きく分け2箇所あり、それぞれ
役割がある。合計で700人程度。基幹産業は、農林業。水資源に恵まれており、
ほとんどの家に飲用井戸がある。紅葉
街道は、石畳で整備されており、長さは
東西約300mほど。村の周囲は大規模な
落葉広葉樹林帯であり、里山の様相を呈
す。野草、山草、山菜、きのこ類と様々な季節の山の幸を村にもたらす。川魚は
村を縦断する川から採れる。岩魚、山女
、鮎、鱒類(一部鱒類は養殖されている)
と川の幸も豊かである。
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R8.8.1
しきたり
ガサッ、ガサガサ
ハァハァハァ...
若い男が、若い女の手を引く
「あと少し、もう少しだ。」
手を引かれた女には余裕は微塵も無い。
山奥の山村、追手の声がかかる
「くそっ、どこ行った?。」
「あっちか?。」
「いや、こっちだ。」
村人総出の山狩りが始まる。
追われている男の名は善吉(せんきち)。
一緒に逃げている女の名は八重(やえ)。
共に山村の村人であった。
男の手には小さな丸い石が握られている。
女から手渡されたモノだった。
その丸い石は、月に照らされ青緑に淡く
ぼうっと光っている。
村の端まで裸足でやってくると
女は男の背を押した。
ドンッ
男の数歩後に佇む女
長い黒髪の女は俯き、黙り込む。
わずかに上がる口角。
フフッ
着物の女の服には、たくさんの返り血が
付いている。
その微笑は、刹那に消え去り唇を噛み締める。
(居たぞーっ)
(あそこだーっ)
女の背中の数間先から、わずかに怒声が
拡がる。
(.....、.....。)
女がやけに小さい声で囁くように何かを言った。
男は、涙を流して村の外へ向きを変え
懸命に走り去る。
取り残された女に追いついた村人達が
覆い被さるように取り押さえる。
やがて女は丸太に縛り付けられ
村人達と共に村内へ還っていく。
あたりは静まり返り、虫の音が
埋め尽くす
走り去った若い男は、手に収められた
石を眺め、女の名前を叫び
ただ
泣いた。
空から無音の寂光が降り注いでいた。
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R8.7.30
(仮称)紅葉並木のある村の一年
<紹介記事:校正前>
ここは、暖色のグラデーションに
囲まれた観光地。
四季それぞれの彩りが鮮やかに映え、来訪する観光者を魅了して止まない。
冬は、雪に覆われ樹氷の中に野生鹿が跳躍し
野生猿専用の露天風呂も存在する。またワカサギ釣りも出来、冬らしい冬を味わえる。
春は、山も灰色からライトグリーンへと色取りを変え、フキノトウ、ワサビから始まりタラの芽、つくし、蕨、ゼンマイ、イタドリ、フキ、野いちご、ドクダミ等、春の風物詩で観光客を祝福する。
夏は、川の禁漁期間が明けるとイワナ、ヤマメからマス類に至るまで様々な川の幸を我々に提供してくれる。尚、冷たい清水の湧く淵があるが、そこは崩落の恐れがあるため、立ち入り禁止と
なっている。遊泳地は、他に設けられているので、そちらを利用するのがいいだろう。
そして、この観光地の最大の魅力は『秋』。
味覚の秋、収穫の秋とは、よく言ったもので
もう、『この地に来て食べざるはなかりけり』
という程、全てが美味い。
まずメシが美味い。
当地で収穫したササニシキを近隣の清水で洗い、釜にしかける。さすがに薪ということではないが、ガス釜で一気に炊き上げる。炊き上がった米は一粒一粒が白い半透明で向こう側が見えるほど端正だ。口に運ぶと口内で白米がほどよく拡がる。まさに米だけで飯が食えるとは、このことかと驚かされた。
さらにすごいのは天然鮎の塩焼きだ。今のシーズンは「落ち鮎」と呼ばれ一年で一番鮎の脂が乗る。これを串刺しにして、チリチリと遠火で焼き上げる。これは適度に脂を飛ばし、スモークする工程にも似ているが、そんなことより、実食だ。パリッサクッサクッ。音がおかしいと感じるかもしれないが、この音しか当てはまらない。頭から尻尾までが、目の前から消える。信じられないかもしれないが、事実なのだ。
次は汁物。味噌は自家製樽で手仕込みした本格味噌、それに旨味を抽出しただし汁と合わせていく。豆腐も手作りのこと。具材のネギやカボチャも全て無農薬。
これで、美味くないわけがない。
...なんということだ、漬物までも自家製ということだ。
ポリ...!!
これは言葉にならない。ぬか漬けとは、こういうものだった。と、改めて感じた。
明日は、秋の王様の登場らしい。今からとても楽しみだ。
この土地は、風景だけではない。
人の手で大切に受け継がれてきた「食」が、この村のもう一つの紅葉なのである。
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R8.7.26
旅籠『里山』 日常記録(一)
朝五時
旅籠『里山』の一日は、まだ村が眠る頃から始まる。
最初に灯りがともるのは厨房。
板長は黙々と朝餉の準備を始める。
米を研ぎ、
出汁を取り、
山から届いた食材を確認する。
昨日採った舞茸。
裏山から届いた椎茸。
近くの畑で育った野菜。
それらは決して特別なものではない。
しかし、この土地で暮らす者にとっては、
季節を感じる大切なものだった。
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(...後から補完されていきます)
