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【国際法でみる世界史】ガイアナ対スリナム海洋境界画定事件

※この記事は国際法の専門家が書いたものではなく、法学部生によって書かれたものです。多少の誤りがあるかもしれませんが、あたたかい目で読んでください。いい勉強になりますので、誤りについてはご指摘いただければうれしいです。

※この記事は特定の国や人物たちを批判する意図で書かれたものではありません。

 ガイアナとスリナムは、ともに南米大陸北東海岸部に位置し、東西に隣接する国家です。ガイアナは1966年に英国から独立し、スリナムは1975年にオランダから独立しました。
 両国の独立前である1936年には、英国、オランダ、ブラジルの委員から構成される混合委員会が、ガイアナとスリナムの陸上国境について勧告を行い、あわせて海洋境界についても一定の画定を試みました。その後も境界画定に向けた試みは継続されましたが、両国の独立後も国境をめぐる対立は解消されませんでした。
 1998年、ガイアナは、スリナムとの間で権利が係争中であった大陸棚区域において、カナダ企業による石油探査活動を認めました。これに対しスリナムは、2000年に外交ルートを通じて当該探査活動の中止を求めるとともに、自国が主張する海洋境界線を越える活動の停止を要求しました。その後、スリナム海軍は、係争海域に位置していた当該企業の船舶に対して退去命令を発し、同船舶はこれに従って退去しました。
 2004年、ガイアナは、両国が批准していた国連海洋法条約に基づき、スリナムとの海洋境界画定および係争海域におけるスリナムの行為の国際法違反の有無について、仲裁裁判所に一方的に付託しました。裁判所は、第一に海洋境界画定について、特段の関連事情が認められないことから、排他的経済水域(EEZ)および大陸棚の境界は、暫定的な等距離線を基礎として画定することが適切であると判断しました。第二に、2000年のスリナムの行為については、国連憲章および一般国際法に違反する武力による威嚇に該当すると認定しました。
 さらに裁判所は、海域境界が未画定の状況においては、最終的な合意の到達を妨げないよう努力する義務が国連海洋法条約上両国に課されているところ、ガイアナおよびスリナムのいずれもがこの義務に違反したと判断しました。

<参考文献>
【書籍】
・兼原敦子、酒井啓旦、西村弓編『国際法判例百選〔第3版〕』(2021年、 有斐閣)XV「平 和と安全の維持」「「武力の行使」と「実力の行使」との区別-ガイアナ対スリナム海洋境 界画定事件」216-217頁。


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