コロナ禍を乗り越えた今、飲食店が本当に問われること。
街に活気が戻り、マスク姿の人も以前にくらべるとだいぶ少なくなってきましたね。
でも、その賑わいの裏側で、なんとなく心に引っかかる「重み」を感じている経営者さんもいるはずです。表面的な回復とは裏腹に、コロナ禍で積み重なった課題が、今、じわじわと、あるいはドカンと、現実を突きつけています。
「本当に、このままで大丈夫なんだろうか?」
今日は、そんな皆さんの心の中にある問いに、一緒に向き合ってみたいと思います。
止まっていた「時計」が動き出す
コロナ禍の真っただ中、多くの飲食店さんにとって命綱になったのが「コロナ融資」でしたよね。あの時は、先の見えない状況で、手元に資金があるだけでホッとできたものだと思います。返済猶予の措置も、本当に助けになったはずです。
でも、今はどうでしょう?
政府系も民間も、コロナ禍で猶予されていた返済が、いよいよ本格的に再開されています。あの時「助け」だった融資が、今度は毎月決まって出ていく「重荷」として、キャッシュフローにのしかかってきているんじゃないでしょうか。
借りたものは返す。当たり前だけど、何年も先の返済計画まで見通して、日々、目の前の営業を回していくのは、本当に大変です。
「賑わいの隣」で消えていく店
街は活気を取り戻し、SNSを見れば新しいお店が話題になったり、予約でいっぱいの人気店が目に入ったりします。でも、その一方で、静かに、そして確実に、閉店していく飲食店も後を絶ちません。
2024年の飲食店倒産件数は過去最多を記録しています。

「客は入ってるように見えたのになんで?」 「ニュースで倒産の話を聞くと、どこか他人事に思えない…」
こんな風に感じる方もいるでしょう。
もちろん、単に「売上が低い」って原因は大きいですが、 返済負担の重さ、原材料費や光熱費の継続的な高騰、慢性的な人手不足、そして、そのすべてに疲弊しきった経営者さん自身の体力や精神的な限界…。
表面的な賑わいや、流行りのビジネスモデルを追いかけるだけでは、この厳しい時代を生き抜くのは難しい。派手さはないけれど、確かな「足元」を固める経営の必要性を、これらの倒産事例が教えてくれているように思います。
目の前の「数字」を超えて。今、飲食店が本当に見つめ直すべきこと。
ここからが本題です。 返済の重みや倒産の現実を目の当たりにする中で、私たち小規模・家族経営の飲食店が、この先もずっと愛され、続いていくために「本当に大事なこと」って何なんでしょう?
目の前の売上を追うだけじゃダメだ、とわかっていても、じゃあ何を見直せばいいのか? いくつか、一緒に考えてみましょう。
1.「なんのために、今日も頑張ってるんだっけ?」
コロナ禍を必死に駆け抜けてきた皆さん、目の前の売上と、お店を守ることで精一杯だったはずです。
そんな辛く厳しい状況でも経営している皆さん、ちょっと考えてみてください。
「何でそんなに頑張ってるんですか?」
もちろん生活の為だと思いますが、開業当時はただお金を稼ぐためだけじゃなく、「家族やお客様の笑顔にさせたい」とか、「この街に自分の店があったら面白い」とか、そんな熱い「想い」や「夢」があったはずですよね。
日々の忙しさの中で忘れがちな、その「お店の原点」。モヤモヤしたり、空回りしているように感じる時って、その「原点」と今の行動がズレているのかもしれません。立ち止まって思い出してみると、次に何をすべきかが見えてきたりするものですよ。
2. 「え、そんなこと思ってたの!?」
特に家族経営だと、「言わなくてもわかるだろう」って、つい思っちゃいますよね。阿吽の呼吸ってやつです。
でも、この「言わなくてもわかる」って小さな「見えないズレ」を生んでしまう、もっと言うと「見えてるズレ」を放置してるなんてことも。
そんな小さな食い違いが積もり積もると、いざという時に一体感が失われたり、衝突を生まれてしまいます。
「話し合うのって、正直めんどくさい…」と思う気持ちもよくわかります。でもその時間を作ることで、単純に目の前の抜け漏れが防げたり、情報共有もできたり、いいことづくめ笑
毎回”重い”ハナシなんてしなくていいんですよ。
3. 「結局、お金ってどうなってるんだ?」
そこそこお客さん入ってるのに、なぜか手元にお金が残らない。このモヤモヤは、多くの経営者さんが抱える悩みです。これは、単に「売上」だけを見ているからかもしれません。
原価率、人件費率、そして一番大事な「キャッシュフロー(お金の流れ)」を、しっかりと「見える化」できていますか? どのくらいお金が入ってきて、どこにどれだけ出ていくのか。この「お金の動き」を把握し、健全な状態を保つことが、返済のプレッシャーにも負けない、強いお店を作る第一歩なんです。
4. 「無理しすぎてない?」
お店のリーダーである経営者さん自身の情熱と健康こそが、お店の最大の財産です。特に家族経営だと、休みなく働きがちですよね。でも、心や体が疲弊してしまっては、どんなに良いお店でも、長く続けることはできません。
時には立ち止まって、自分自身の「足元」を見つめ直す。無理はしていないか、ちゃんと休めているか。そして、困った時は遠慮なく、誰かに相談できる環境を持つこと。経営者さん自身が元気でいることが、家族や従業員、そしてお客様の笑顔に繋がるんです。
未来へ繋ぐ、確かな一歩のために
コロナ禍を乗り越えた今、私たちはただ「元に戻す」だけでなく、「もっと強く、もっと良いお店」へと変わっていくチャンスに立っているんだと思います。
そのためには、目に見える数字や派手な戦略だけを追うのではなく、お店の「理念」や、家族・従業員との「対話」、そして「お金」の健全な流れ、さらには経営者さん自身の「健康」といった、目に見えないけれど本当に大切なものを、丁寧に育んでいくことが何よりも重要です。
漠然とした不安を「言葉」にし、足元を見つめ直すことから、未来へ繋がる着実な一歩が生まれるはずですよ。
ノビルノート|飲食店の経営サポーター 緒方良治
家族経営の現場と経営に20年以上携わってきました。
現場で実践できる、言葉と仕組みのサポートをしています。
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