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半世紀を跨いだ元祖・俺TUEEE―水戸黄門でなろう小説を解剖してみた【エッセイ】

こんばんは!白樺 ノアです。

前回の記事で、大手小説サイトにて「なろう小説」というカタルシス(劇的な逆転劇などで一気に解放される感情)の強い作品が人気であるということを、フランチャイズのおいしいお店に例えてご紹介してきました。

多くの人が「いつものあの味」を求めて並ぶように、WEB小説における「カタルシス」もまた、安定した需要があるのです。

そこで一つ私の中に浮かんできた疑問…それは【なぜカタルシスの強い俺TUEEEはあんなにもウケるのか?】

その答えを見つけるべく、私は思考の奥地へと足を踏み入れました。



カタルシスを読み解くヒントは「水戸黄門」にあった?!


皆さんは時代劇である水戸黄門をご存じでしょうか。

水戸黄門のWikipediaにはこのように書かれています。
水戸黄門』(みとこうもん)は、1969年8月4日から2025年12月28日にかけての56年間[注 1]にわたり、TBSとその系列局における月曜20:00 - 20:54(JST)のテレビドラマ放送枠『ナショナル劇場』(第38部まで)→『パナソニックドラマシアター』(第39部 - 第43部)、およびBS-TBSで放送された日本のテレビ時代劇シリーズ。

連続放送ではないものの、なんと56年も放映されています。

さて、水戸黄門のお話といえば、隠居の老人として旅をしている途中に、悪行を見つけて、「助さん」「格さん」に守られながら、最後には印籠を出し、成敗するというお話。

あれ?この構造…令和のどこかの「小説サイト」で見たことあるような…?


『水戸黄門』の構造で読み解く俺TUEEEの正体


水戸黄門には、現代のヒット作に含まれる「売れる要素」が、これでもかと詰まっているんです。

  • ステータス偽装(隠れ最強): 「前副将軍」という、国で数人しかいない超ハイスペックな身分を隠して、一番弱そうな「ただのご隠居」を名乗る。これは現代で言う「SSSランク冒険者がFランクを自称する」のと全く同じです。

  • 最強のパーティ(取り巻きの無双): 本人は直接戦わず、ステータスを物理攻撃(助さん・格さん)と忍び(お銀・飛猿)に極振りした仲間が周囲をなぎ倒す。主人公は後ろでニコニコしているだけで、実質「召喚獣や配下が最強」なパターン。うっかり八兵衛という、ワンピースでいうところのウソップのようなユニークキャラも実装済み。

  • お約束の「ざまぁ(カタルシス)」: 「こいつ、偽物だ! 構わん、斬り捨てろ!」と悪役が最後まで足掻き、その直後に絶望へと叩き落とされる。この「絶望への転落」のスピード感こそ、現代の読者が最も好む「ざまぁ」の味そのもの。

  • 「コマンド入力」の快感: 「懲らしめてやりなさい」という言葉は、現代で言うところの「最強スキルの発動ボタン」です。ボタン一つで画面が制圧される快感が、そこにはあります。

  • 「控えおろう」という最強のスタンスキル:召喚獣(助さん格さん)から放たれる最強魔法。その場の悪がすべてひれ伏す極上の瞬間。

  • 絶対的なチートアイテム「印籠」: どんなに強気な悪代官も、出した瞬間に判定が終了する。対話ではなく、「権威という名のシステム介入」によるチート的強制勝利。

おわかりいただけたであろうか?

今まさにネット小説サイトに訪れている俺TUEEEカタルシスブームは、昭和中期から続く時代劇をリバイバルしているといっても過言ではないのです!

56年続いた俺TUEEE、令和の世にリバイバルされ私たちのもとへ小説やアニメになって今もまだ水戸黄門のDNAが愛され続けています。


結びに:視点を変えて見てみよう!


もしあなたがカタルシスの強い作品に飽き飽きしていたりする時は、水戸光圀目線で物語を読み解くと面白いかもしれません。

こんな妄想はいかがですか?
あなたの作った主人公(水戸黄門)に、印籠を持たせるとしたらどんな印籠にしますか?

こう考えるだけでも新しい発想や、執筆のネタ、ちょっとした気分転換になるはずですよ!

そして史実としては、光圀は近くへ旅はしていた資料はあるものの、隠居後に全国を漫遊して世直しをしたと裏づける確かな史料は確認されていません。
水戸黄門の物語は、後の人々が「かつての理想郷」を夢見て作り出した、言わば過去という異世界を舞台にした最強ファンタジーなのかもしれませんね!


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