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【短歌】誰もいない世界

仕事終わり、セルフのガソリンスタンドで給油していた。
夜の10時頃だったが、周辺のお店は閉まって暗く、道路を通る車もなく、他に給油する人もいなかった。
聞こえてくるのはガソリンが流れ込む音、給油機が発するCMの機械の声。
あまりにも人気がなく、静かすぎる自分の状況に怖いよりも先に心配になった。


もしかして、気づかないうちに私以外の人たちはどこかへ行ってしまったんじゃないだろうか。
今世界にいるのは、私だけなんじゃないだろうか。

そんな考えに耽っているうちに給油が終わったらしく、手元のレバーがガコンと音を立てて止まった。
ノズルを元の場所に戻して出てきたレシートを取り、家路を急いだ。
途中の道には当たり前のように車が走り、家には当たり前のように家族がいた。


ほんのひと時、世界に一人残された気がしたあの時。
感じたのは恐怖、焦り、僅かな興奮と高揚感。
孤独感はなかった。
世界に一人残されるなんてそんなことありえないと奥底では信じきっていたからなのか、孤独感というのは他人がいて初めて感じるものなのか。
寂しさはあったな、と、思い返している。

夜ひとりセルフでガソリン入れるとき
世界に誰もいない気がして

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