「医師の小さな違和感」に気づく!おとにち水曜 「AI時代のMRの在り方」(16)
医師の「違和感」を、次の問いに変える
7月は、AI時代のMR活動について、情報の集め方や整理の仕方を考えてきました。
今回のテーマは、もう少し面談の内側に入ります。
それは、医師の言葉になりきっていない違和感を、どう受け止めるかです。
AIは、すでに言葉になった質問を要約し、論点を整理し、答えを探すことには優れています。しかし、面談の現場には、まだ質問の形になっていないものがあります。
説明のあとに残る、少しの沈黙。
「うーん、そこなんだよね」という短い一言。
前回と同じ質問のようで、どこか背景が違う反応。
こうした小さな変化は、そのまま検索窓に入力できるものではありません。その場にいるMRが立ち止まり、「先生が本当に気にしていることは何だろう」と確かめる必要があります。
たとえば、先生が「患者さんに説明するとき、そこが少し難しいんだよね」と話したとします。
そこで資料の説明を続けるのか。
それとも、
「情報量が多いことが難しいのでしょうか。それとも、患者さんがどう受け止めたかを確かめることが難しいのでしょうか」
と一歩踏み込むのか。
この問いによって、「説明はできても、患者さんがどこまで理解したか分かりにくい」「質問が出ない患者さんの迷いをつかみにくい」といった、診療現場の本当の課題が見えてくるかもしれません。
大切なのは、MRが答えを決めることではありません。個別の診療に介入することでも、患者さんの選択を誘導することでもありません。
医師の違和感を、医師自身が答えやすい問いへ変えることです。
そして面談後には、聞かれた質問だけでなく、先生がどこで立ち止まり、何がまだ言葉になっていなかったのかを記録する。そのメモが、単なる活動報告ではなく、次の対話の設計図になります。
1958年7月29日は、NASA設立につながる法律に署名された日です。宇宙開発でも、小さな異常を見逃さず、記録し、確認すべき問いへ変える積み重ねが、安全な判断につながってきました。
では、MRは医師のどのような反応を「違和感」として捉えればよいのでしょうか。
そして、相手を尋問することなく、自然な問いへ変えるには、どのような言葉を選べばよいのでしょうか。
音声では、具体的な質問例と、面談後に残しておきたいメモの書き方まで、さらに詳しくお話しします。
