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シャネル社 商標関連案件



1.シャネル社が保有する商標権(43類)

 シャネル社(シャネル エス アー エール エル)が保有する商標権をj-platpatで検索すると418件ありました(2021年02月15日)。
 これらの商標権のうち、43類(飲食物の提供等)が指定されているものは、10件でした(2021年02月15日)。これらの10件のうち、文字「CHANEL」を有するのは、第4964604号(登録日2006年 6月 23日)だけでした。また、シャネルのマーク(Cを二つ組み合わせたようなマーク)を有するのは、第4964605号(登録日2006年 6月 23日)だけでした。
 定期的に「シャネル」の名を関した飲食店が検挙されたニュースが流れますが、防護ではなく、上記商標権が根拠と思われます。

2.シャネル社がライセンス/展開している飲食店

 「ベージュ アラン・デュカス 東京」がシャネル 銀座ビルの10階にあります(店舗公式HP)。店舗内部の写真等は、東京カレンダーさんの記事を参照願います。

3.シャネル社の商標関連の裁判例

3.1.スナックシャネル事件(平成7年(オ)637号)

 たまに飲食店が摘発されるシャネルエスアーエールエル社の文字商標CHANEL(商標登録第4964604号)は第43類の飲食物の提供を指定しています。本国での登録内容に合わせて取得したのかもしれませんね。

 確か、スナックシャネル事件(平成7年(オ)第637号 最高裁)では、不競法2条1項1号の”混同を生じさせる行為”に該当するか否かが問題になりました(平成7年の段階では、商標登録第4964604号(2006年=平成18年登録)は登録されていません)。スナックシャネル事件の際には、現在の不競法2条1項2号がなかったので、2条1項1号で対応して、広義の混同惹起行為(商標権者との間に営業上の関係があると混同させたり、企業グループに属する等の混同をさせる行為)という法解釈が示されたはずです。
 個人的には、同じ名称を使っていたとしても、高級ブランドの名称と、普通の店舗の名称が同じであっても混同する可能性は低いと思います。このため、勝手にブランド名を使う行為を取り締まるために、現在の不競法2条1項2号が設けられのだと思います。
 例えば、商標CHANEL(シャネル)と、商標CHANNEL(チャンネル)があった場合、普通はCHANEL(シャネル)と、CHANNEL(チャンネル)とを間違えない(取り違えない)と思われます。お客さんは、「あ、これが有名なCHANEL(シャネル)の偽物のCHANNEL(チャンネル)か~~」と思うはずです。つまり、混同が生じません

3.2.シャネルNo.5事件(東京地裁平成5年3月24日)

 この事件では、原告(シャネル社)の商標権侵害となるか否かの判断の際に、(i)被告の表示が注目を引くものかどうか、(ii)原告商標が著名かどうか、(iii)明瞭で分かりやすい打ち消し表示があるかどうか、がポイントになりました。結論として、著名なブランド名や、著名商品名に「タイプ」という文字を付け加えただけでは、十分な打ち消し表示とはならないことが示されました。

 このため、商品に、著名商標に「~タイプ」「~風」という文字を付した文字標章を付けるべきではないと思います。香水等について、「~タイプ」と表示すれば、商標権侵害にならないという意見を聞いたことがありますが、この意見は正しくない場合もあるということです。

 既に、著名商標に「~タイプ」「~風」という文字を付した文字標章を付した商品を販売している場合、商標に付した標章が、商品の出所表示としてユーザーに理解される可能性があるか否かを検討すべきです。
(商品の出所表示として理解される場合は、販売中止が望ましいです)

3.3.Shiver + DukeをChanelが商標権侵害で提訴('21.02.15)

 ジョージア州アトランタを拠点とし、「手作りのモダンで洗練されたアクセサリーライン」と表現するShiver + Duke社と同社創業者が提訴されたようです(情報元)。
Shiver + Duke社は、シャネル社の衣服に使われていたボタンをアクセサリーにして販売していたため、シャネル社に訴えられた模様です。また、シャネル社は、Shiver + Duke社の製品は「CCモノグラムボタンの裏面にもSD SHIVER + DUKEのマークを追加している」と主張しているようです。情報元のHPを見ると、販売されている製品は、ジュエリーの最も目立つ位置にシャネルマークが表示されています(本物の衣服から回収した本物のボタンを使っているので当然です)。

3.4.シャネルの偽造ロゴ使用 商標法違反容疑で書類送検('21.02.12)

 キャバクラ店内の装飾に「シャネル」の偽造ロゴ使用で商標法違反の疑いで書類送検された案件です(情報元)。記事によると、シャネルのロゴに類似したシールをレジカウンターに貼って営業したとされています。


・スナックシャネル事件 平成7年(オ)第637号 最高裁

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=63054

 ・不正競争防止法 第2条1項1号、2号

第二条 この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。
一 他人の商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表示するものをいう。以下同じ。)として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供して、他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為
二 自己の商品等表示として他人の著名な商品等表示と同一若しくは類似のものを使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供する行為

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