特許法80条 中用権


 特許権が無効になった場合、特許発明を実施していた場合には、中用権が認められる場合があります。
 中用権は、公平の観念ではなく、事業設備の保護のために設けられています。また、実用新案権が無効になった場合には、中用権が認められていません。これは、実用新案権は無審査だからです。

・公平を図る趣旨から認められるものではないため、先使用権のように実施形式の変更は認められにくいと考えられる(最高裁S61/10/03)

パリ優先権の優先期間中になされた出願39条、29条の2で無効とされた場合には、中用権を発生させるとパリ条約4条Bに違反するため、中用権は発生しないと考えられる。


・特許法80条

(無効審判の請求登録前の実施による通常実施権)
第八十条 次の各号のいずれかに該当する者であつて、特許無効審判の請求の登録前に、特許が第百二十三条第一項各号のいずれかに規定する要件に該当することを知らないで、日本国内において当該発明の実施である事業をしているもの又はその事業の準備をしているものは、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許を無効にした場合における特許権又はその際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。
一 同一の発明についての二以上の特許のうち、その一を無効にした場合における原特許権者
二 特許を無効にして同一の発明について正当権利者に特許をした場合における原特許権者
三 前二号に掲げる場合において、特許無効審判の請求の登録の際現にその無効にした特許に係る特許権についての専用実施権又はその特許権若しくは専用実施権についての通常実施権を有する者
2 当該特許権者又は専用実施権者は、前項の規定により通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有する。

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