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商標法4条1項11号 商標登録を受けることができない商標☆

1.概要

 本号では、他人の先願先登録商標と同一類似の商標は、登録を受けられないことが規定されています。

 他人とは、出願人以外の者のことであり、同一人には適用がありません。
 このため、同一人が類似する商標を出願した場合、登録を受けられます。これは、同一人が有する限りは出所混同のおそれがないからです。なお、分離移転による出所混同が起きた場合、商52の2、商24条の4で対応します。

 先願先登録商標といえるためには、出願日が先であり(同日出願には不適用)、先に商標登録されている必要があります。出願日とは、実際の出願日であるのが原則です。例外的に出願日が繰り上がるのが、特19条、商9条、10条、11条、12条、17条の2、パリ4条Aの場合です。一方、出願日が繰り下がるのは、商9条の4の場合です。なお、同日出願の場合には、商8条2項、5項で調整します。

 本号は、拒絶理由、異議申立理由、無効理由、です。後願の登録「前」で、先願が登録されると、商4条1項11号で後願が拒絶されます(商8条1項は適用されません)。後願の登録「前」で、先願が登録される「前」の場合、商15条の3第による通知がなされます。逆に、後願が先に登録されてしまった場合、後願は、商8条1項の無効理由を有することになります(商4条1項11号は適用されません)。

 本号に該当するか否かは、査定、審決時に判断されます。また、本号は私益的事由のため、除斥期間(商47条1項)の適用があります。

2.具体的な類否判断

 商標の類比判断では、出願商標及び引用商標がその外観・称呼・観念等によって需要者に与える印象等を総合して全体的に観察して、出願商標を指定商品又は指定役務に使用した場合に引用商標と出所混同のおそれがあるか否かにより判断します。

 商標の類否判断の際には、指定商品等における一般的・恒常的な取引の実情を考慮するが、当該商標が現在使用されている商品又は役務についてのみの特殊的・限定的な取引の実情は考慮しないとされています(商標審査基準 商標法4条1項11号, 更新日2021年2月18日)。

 また、商標の類否は、時と場所を異にする離隔的観察により判断されます。その際、商標が使用される指定商品等の主たる需要者層その他指定商品又は指定役務の取引の実情を考慮し、指定商品又は指定役務の需要者が通常有する注意力を基準として判断されます。


・商標法4条1項11号

(商標登録を受けることができない商標)
第四条 次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。
十一 当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であつて、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務(第六条第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定により指定した商品又は役務をいう。以下同じ。)又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの

●参考文献
商標審査基準 第4条第1項第11号(先願に係る他人の登録商標)

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