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特許法97条 特許権等の放棄

 勝手に特許権を放棄されると困る(不利益を受ける)人がいる場合には、勝手に特許権を放棄してはいけませんよ、という規定です。

 専用実施権者や通常実施権者は、ライセンス料を支払って実施しています。専用実施権者等は、ライセンス料を支払っているので、特許発明を他の人が実施できないと考えるはずです。しかし、その状況で特許権が放棄されて消滅すると、専用実施権等も特許権と一緒に消滅してしまいます。このため、ライセンス料を支払っているのに、特許発明を他の人も実施できる状況が生まれます。このような状況を防止するため、97条の規定が設けられています。

・97条に挙げられている通常実施権は以下の通りです。
  35条1項:職務発明に対する法定通常実施権
  77条4項:専用実施権者が承諾した通常実施権
  78条1項:特許権者が承諾した通常実施権

 法定通常実施権では、職務発明に対する通常実施権だけが規定されています。これは、他の法定通常実施権(例えば、先使用権)を有する者は、「特許権が無いほうが嬉しい」という立場なので、承諾は不要となっています。


・特許権の放棄は、請求項ごとに行えます。


・特許法97条

(特許権等の放棄)
第九十七条 特許権者は、専用実施権者、質権者又は第三十五条第一項、第七十七条第四項若しくは第七十八条第一項の規定による通常実施権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、その特許権を放棄することができる。
2 専用実施権者は、質権者又は第七十七条第四項の規定による通常実施権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、その専用実施権を放棄することができる。
3 通常実施権者は、質権者があるときは、その承諾を得た場合に限り、その通常実施権を放棄することができる。

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