PCT21条 国際公開
1.国際公開と日本の出願公開
国際公開(PCT21条)では国際調査報告も公開されます。具体的には、国際公開(PCT21条(2)(a))は、国際出願の優先日から十八箇月を経過した後に行われますが、国際公開(PCT21条(2)(a))には、国際調査報告又はPCT17条(2)(a)の宣言が含まれます(規則48.2)。
※「国際出願日から18か月」を経過した後に公開されるわけではありません。
※国際出願をした出願人は、優先日から18か月経過前であっても、国際事務局に早期公開請求ができます(PCT21条(2))。
一方、日本での出願公開(特64条)は、特許出願の日・優先日から一年六月経過後になされます。
出願公開(特64条)と国際公開(PCT21条(2)(a))の両方で、公開される時期は優先日から1年6月後です。しかし、国際公開の場合は、国際調査報告も一緒に公開される可能性が高いといえます。
※個人的感覚としては、ほぼ100%の国際出願で国際調査報告が公開されていると思います。
2.国際公開までに出願取下げが間に合いそうにない場合、出願取下げ「しない」ようにすることができます
国際出願の取下げをすれば、基本的には、国際公開が行われません。しかし、取下げ手続きのタイミングによっては、
①出願取下げ、国際公開「されない」、
ではなく、
②出願取下げ、国際公開「される」、
となるケースも考えられます。
上述の②のようなケースを回避するためには、出願取下げを撤回する必要があります。
3.他社牽制のための出願としての意味
国際出願は特許性を判断を付された状態で国際公開されますので、特許出願を権利化できる状態で維持し続けて他社を牽制するという観点「だけ」から考えると、国際出願は良くないですね。
また、国際公開前にPCT国際出願を取り下げることにより、国際出願に係る発明の公開を避けることも可能です。
PCT国際出願制度では、国際公開される前に国際調査報告及び国際調査機関による見解書が提供され、特許性の判断材料を得ることができます。国際調査報告又は国際調査機関による見解書が否定的な見解である場合は、権利化を断念するという判断をする場合もあり得ます。そのような場合、権利化を断念すれば、その後の翻訳費用や権利化手続費用という支出を省略できます。
・PCT21条 国際公開
第二十一条 国際公開
(1) 国際事務局は、国際出願の国際公開を行う。
(2)(a) 国際出願の国際公開は、(b)及び第六十四条(3)に定める場合を除くほか、国際出願の優先日から十八箇月を経過した後速やかに行う。 (b) 出願人は、(a)に定める期間の満了前のいずれの時においても国際出願の国際公開を行うことを国際事務局に請求することができるものとし、国際事務局は、規則の定めるところにより手続をとる。
(3) 国際調査報告又は第十七条(2)(a)の宣言は、規則の定めるところによつて公開する。
(4) 国際公開の言語、形式その他の細目は、規則に定める。
(5) 国際公開の技術的な準備が完了する前に国際出願が取り下げられ又は取り下げられたものとみなされる場合には、国際公開は、行わない。
(6) 国際事務局は、国際出願に善良の風俗若しくは公の秩序に反する表現若しくは図面が含まれており又は規則に定める誹謗の記載が含まれていると認める場合には、その刊行物においてそのような表現、図面及び記載を省略することができる。この場合には、省略した語又は図面の箇所及び数を表示し並びに請求により個別に省略箇所の写しを交付する。
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