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(~'22/01/04)特許法68条 特許権の効力

 68条では、特許権者は、「業として特許発明の実施をする権利」を専有することが規定されています。業として事業としてと考えれば良いです。逆の見方をすると、業としての実施ではない、個人的家庭的な実施にまで特許権の効力は及びません。

(論文試験対策)
・直接侵害(文言侵害)
 権原なき第三者が業として特許発明を実施すること
・間接侵害
 権原なき第三者が侵害の予備的行為(101条に該当する行為)をしたこと

・侵害の可能性が示された場合、
  ①直接侵害(100条1項)
  ②間接侵害(101条)、侵害のおそれ(100条1項)
 を検討する
 侵害が成立する場合、差止請求(100条)、損害賠償請求(民法709条)、不当利得返還請求(民法703、704条)、信用回復措置(106条)、侵害罪(196条)としての告発を検討する。


・積極的効力の制限
 (1)専用実施権(77条)
 (2)利用抵触(72条)
 (3)共有者との契約
  (3-1)共有者間での特約がある場合
   原則として自由実施可能だが契約自由の原則を尊重する。
  (3-2)特約に違反して実施
   特許権侵害にはならないと解する。
   私的契約の問題であり、債務不履行責任(民法415条)で十分
 (4)他の法律

・消極的効力の制限
 (1)特許権の効力が及ばない範囲(69条)
 (2)延長(67条の2)
 (3)追納(112条の3)
 (4)再審による回復(175条)、
 (5)通常実施権、仮通常実施権(34条の2、34条の3、78条、79条等)
 (6)質権(95条)
 (7)消尽(用尽) → 再生産の場合は消尽しない
 (8)特許権者等の権利行使の制限(104条の3)

・TRIPS28条では、排他権のみが規定されています。

●消尽について 特許権者が特許製品を譲渡した場合
(1)原則消尽する
 特許製品について譲渡を行う都度特許権者の許諾を要するとすると,市場における特許製品の円滑な流通が妨げられ,かえって特許権者自身の利益を害し、ひいては特許法の趣旨にも反することになる一方、特許権者は特許発明の公開の代償を確保する機会が既に保障されているものということができ、特許権者等から譲渡された特許製品について,特許権者がその流通過程において二重利得を得ることを認める必要性は存在しないからである。

(2)例外
 「新たな製造」に該当すれば消尽しない。特許権の消尽により特許権の行使が制限される対象となるのは、あくまで特許権者等が我が国において譲渡した特許製品そのものに限られるからである。
新たな製造に該当する場合とは、特許権者等が譲渡した特許製品について、加工や部材の交換により当該特許製品と同一性を欠く特許製品が新たに製造されたものと認められる場合である。

・特許法68条

(特許権の効力)
第六十八条 特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。ただし、その特許権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその特許発明の実施をする権利を専有する範囲については、この限りでない。

・TRIPS28条

第28条 与えられる権利
(1) 特許は,特許権者に次の排他的権利を与える。
(a) 特許の対象が物である場合には,特許権者の承諾を得ていない第三者による当該物の生産,使用,販売の申出若しくは販売又はこれらを目的とする輸入を防止する権利(注)
(注)
輸入を防止する権利は,物品の使用,販売,輸入その他の頒布に関してこの協定に基づいて与えられる他のすべての権利と同様に第6条の規定に従う。
(b) 特許の対象が方法である場合には,特許権者の承諾を得ていない第三者による当該方法の使用を防止し及び当該方法により少なくとも直接的に得られた物の使用,販売の申出若しくは販売又はこれらを目的とする輸入を防止する権利
(2) 特許権者は,また,特許を譲渡し又は承継により移転する権利及び実施許諾契約を締結する権利を有する。

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