特許法64条の2 出願公開の請求
特許法64条の2に規定された出願公開請求がなされると、特許庁での事務的な手続きを経て出願公開がなされます。
逐条解説(工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第22版〕)にはこの規定が設けられた趣旨が記載されていませんでしたので、この規定の意味について考えてみました。
結論としては、この規定の意味は、
①他者(他社を含む)への威嚇、
②補償金請求権(特65条1項)を発生させるための1ステップ、
の2つかと思います。
まず、「①他者(他社を含む)への威嚇」ですが、他者の出願動向を確認している企業等ほど、売り上げ規模が大きくなると思われます。
このため、自社による特許権成立可能性を見せることで、特許出願の内容に抵触しうる物等を製造販売している他社が、自社が狙っている出願に係る製品の市場への参入を抑制し、自社製品による利益を確保しやすくなるはずです。
※確率的には、他者の出願動向を確認して「いない」企業の方が多いとは思われますが、そのような企業は、比較的売り上げ規模が小さいと思われます。このため、自社が狙っている出願に係る製品の市場への参入を抑制する意味は小さくなります。
次に、「②補償金請求権(特65条1項)を発生させるための1ステップ」ですが、これは記載の通り、出願公開が補償金請求権(特65条1項)の1要件だからです。
・特許法64条の2 出願公開の請求
(出願公開の請求)
第六十四条の二 特許出願人は、次に掲げる場合を除き、特許庁長官に、その特許出願について出願公開の請求をすることができる。
一 その特許出願が出願公開されている場合
二 その特許出願が第四十三条第一項、第四十三条の二第一項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)又は第四十三条の三第一項若しくは第二項の規定による優先権の主張を伴う特許出願であつて、第四十三条第二項(第四十三条の二第二項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)及び第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)に規定する書類及び第四十三条第五項(第四十三条の二第二項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)及び第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)に規定する書面が特許庁長官に提出されていないものである場合
三 その特許出願が外国語書面出願であつて第三十六条の二第二項に規定する外国語書面の翻訳文が特許庁長官に提出されていないものである場合
2 出願公開の請求は、取り下げることができない。
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