Photo by
voice_watanabe
実用新案法37条 実用新案登録無効審判
特許法123条に対応した規定です。なお、実用新案法における審判は、無効審判だけです。
実用新案法でも、特許法と同じように、新規性、進歩性が無い場合や、同一発明の先後願関係がある場合、新規事項追加がなされた場合、は無効理由になります。
特許法と同じく、単一性違反は無効理由ではありません。また、訂正後の請求項が独立特許要件を満たさない場合も、無効理由にはなりません。実用新案法は無審査登録主義を採用しているからです。
請求項の記載内容が公序良俗に反する場合は無効理由になります。一方、明細書等の内容が公序良俗に反する場合は無効理由になりません。例えば、図面にドラえもんの絵が描かれていると、公序良俗に反すると判断されますが、このことは無効理由にはなりません。
同一発明との先後願関係による無効理由がある場合、訂正で同一発明に対応する実用新案権の請求項を削除すれば無効理由は解消します。これは、特許権側の請求項を訂正で削除した場合も同じです。
出願変更がなされた場合、実用新案権の範囲が、元の外国語書面出願の外国語書面の範囲を超えていたとしても、無効理由にはなりません。ただし、出願変更の効果(出願日の遡及効)は得られません。
国際実用新案登録出願では、明細書等が原文の範囲内(国際出願日の国際出願の範囲内)にない場合は、無効理由になります。
・実用新案法37条
(実用新案登録無効審判)
第三十七条 実用新案登録が次の各号のいずれかに該当するときは、その実用新案登録を無効にすることについて実用新案登録無効審判を請求することができる。この場合において、二以上の請求項に係るものについては、請求項ごとに請求することができる。
一 その実用新案登録が第二条の二第二項に規定する要件を満たしていない補正をした実用新案登録出願に対してされたとき。
二 その実用新案登録が第二条の五第三項において準用する特許法第二十五条、第三条、第三条の二、第四条、第七条第一項から第三項まで若しくは第六項又は第十一条第一項において準用する同法第三十八条の規定に違反してされたとき(その実用新案登録が同項において準用する同法第三十八条の規定に違反してされた場合にあつては、第十七条の二第一項の規定による請求に基づき、その実用新案登録に係る実用新案権の移転の登録があつたときを除く。)。
三 その実用新案登録が条約に違反してされたとき。
四 その実用新案登録が第五条第四項又は第六項(第四号を除く。)に規定する要件を満たしていない実用新案登録出願に対してされたとき。
五 その実用新案登録がその考案について実用新案登録を受ける権利を有しない者の実用新案登録出願に対してされたとき(第十七条の二第一項の規定による請求に基づき、その実用新案登録に係る実用新案権の移転の登録があつたときを除く。)。
六 実用新案登録がされた後において、その実用新案権者が第二条の五第三項において準用する特許法第二十五条の規定により実用新案権を享有することができない者になつたとき、又はその実用新案登録が条約に違反することとなつたとき。
七 その実用新案登録の願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正が第十四条の二第二項から第四項までの規定に違反してされたとき。
2 実用新案登録無効審判は、何人も請求することができる。ただし、実用新案登録が前項第二号に該当すること(その実用新案登録が第十一条第一項において準用する特許法第三十八条の規定に違反してされたときに限る。)又は前項第五号に該当することを理由とするものは、当該実用新案登録に係る考案について実用新案登録を受ける権利を有する者に限り請求することができる。
3 実用新案登録無効審判は、実用新案権の消滅後においても、請求することができる。
4 審判長は、実用新案登録無効審判の請求があつたときは、その旨を当該実用新案権についての専用実施権者その他その実用新案登録に関し登録した権利を有する者に通知しなければならない。
