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不競法2条1項20号 原産地等誤認惹起行為☆

1.条文解説

 不正競争防止法は、競業秩序を維持するための法律です。この競業秩序は、不正競争防止法1条では、事業者間の公正な競争という文言で規定されています。

 競業秩序を維持するためには、会社間、事業者間で、各会社等が、商品等について正しい表示を行うことが必要です。逆に、商品の表示において誤認させる行為は、正しい表示をして取引を行う会社等から不当に顧客を奪い、公正な競争秩序を乱すことになります。

 そこで、本号では、商品・役務の原産地等について誤認を生じさせるような表示を行う行為等を不正競争として規定しています。

 本号の規制範囲はかなり広く、「広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信」が対象となっています。具体的には、(i)広告とは、公衆に対してなされる表示のうち営業目的をもってなされたものを指し、(ii)取引に用いる書類とは、注文書、見積書、送り状、計算書、領収書等を指し、(iii)取引に用いる通信とは、電子メール、FAX、電話等の、取引上現れる表示行為のうち、紙の書類以外の通信形態の全てを指します。
 ほぼ全てが規制範囲に入ると考えて良いと思います。

2.具体例

 本号に該当する具体例ですが、2020年07月に神戸で食肉卸会社の方が、交雑種の牛肉計約100キロについて伝票に「和牛」と偽って記載して販売した件が問題になりました(情報元1)(情報元2)。

 このような表示(表示行為)は、難しく言うと、「品質等誤認惹起行為」「原産地等誤認惹起行為」と言います。これらの表示行為は、商品・サービスの品質・内容等について誤認させるような表示行為ですが、その表示をした商品を販売等する行為が、不競法2条1項20号の不正競争です。

 別の例として、'22/12/21にニュースで流れてきた北朝鮮産シジミ“国内産”として販売していた例があります。北朝鮮産シジミを国内産と偽って販売すると原産地偽装(不競法2条1項20号)になります。

 北朝鮮産のシジミは輸入が禁止されていますから、本件は、関税法違反(虚偽申告罪)としても追及される可能性がありそうです(参考情報)。

・不競法2条1項20号

(定義)
第二条 この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。
二十 商品若しくは役務若しくはその広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信にその商品の原産地、品質、内容、製造方法、用途若しくは数量若しくはその役務の質、内容、用途若しくは数量について誤認させるような表示をし、又はその表示をした商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供し、若しくはその表示をして役務を提供する行為

●過去記事
不競法2条1項20号 原産地等誤認惹起行為
不正競争防止法2条1項20号 品質等誤認惹起行為

●参考情報
北朝鮮産シジミ“国内産”と販売か 数十カ所を捜索
北朝鮮産あさりの不正輸入事件を告発

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