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作用効果不奏功の抗弁

 判決文の傍論ではありますが、作用効果不奏功の抗弁を認めた例として、「エアロゾル事件」大阪地判平成13年10月30日(平成12年(ワ)7221号)があります。

ポイントは、「対象物件の構成が特許請求の範囲に記載された発明の構成要件を充足していても、発明の詳細な説明に記載された効果を奏しない場合には、対象物件が特許発明の技術的範囲に属するとすることはできないものというべき」というところです。

具体的な判決文の該当部分は以下の通りです。

・・・しかし、同改正後の特許法の下でも、明細書に効果の記載があれば、その記載は特許請求の範囲の記載の解釈に当たって参酌されるべきであるとともに(70条2項参照)、対象物件の構成が特許請求の範囲に記載された発明の構成要件を充足していても、発明の詳細な説明に記載された効果を奏しない場合には、対象物件が特許発明の技術的範囲に属するとすることはできないものというべきである。けだし、特許発明は、従来技術と異なる新規な構成を採用したことにより、各構成要件が有機的に結合して特有の作用を奏し、従来技術にない特有の効果をもたらすところに実質的価値があり、そのゆえにこそ特許されるのであるから、対象製品が明細書に記載された効果を奏しない場合にも特許発明の技術的範囲に属するとすることは、特許発明の有する実質的な価値を超えて特許権を保護することになり、相当ではないからである(このことは、平成2年法の下でも同様である。なお、前記改正後の特許法の下でも、明細書の発明の詳細な説明に記載した作用効果を特許発明が奏しない場合には、36条4項の規定する「その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に、記載しなければならない」との要件を満たしていないか、又は、36条6項1号の規定する「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること」との要件を満たさない特許出願に対して特許されたものとして特許の無効理由があることになり(123条1項4号)、あるいは、引用例との比較で進歩性を欠くものとして無効とされる(同条1項2号、29条2項)ことがあり得ると解される。)。

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/233/012233_hanrei.pdf

この「エアロゾル事件」は、作用効果不奏功の話が出るときには、ほぼ取り上げられていると思われます。

 「エアロゾル事件」の上記内容は、傍論で述べられているものですから、上記内容を特別に重視するべきでないと思います。

しかし、作用効果不奏功の抗弁が一番使いやすいと思われる場合には、使いますよね。やはり。

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