商標法43条の3 決定☆
登録異議申立や、審判等における審理及び決定は、奇数人の審判官で行います。具体的には、3人又は5人の審判官により行われます(商43条の3第1項)。
審判官合議体は、異議理由が「ある」と判断した場合、取り消し決定をします。言い換えれば、審判官合議体は、商標権や登録処分に瑕疵があると判断すると、取り消し決定をします。
(登録異議の申立てに理由がある又はない旨の決定をするわけではありません)。
取消決定確定が確定すると、商標権は遡及消滅します(商43条の3第3項)。この効果は、無効審決確定と同じです(商46条の2)。
一方、 審判官合議体は、異議理由が「ない」と判断した場合、維持決定をします(商43条の3第4項)。維持決定に対しては不服申し立てができません(商43条の3第5項)。これは、(i)登録異議の申立は第三者に対して登録処分の見直しを求める機会を与えたにすぎないものであり、(ii)維持決定を受けた登録異議申立人は、同一の理由によりて無効審判を請求することができるためです。
維持決定に対しては不服申し立てができません(商43条の3第5項)。しかし、あえて、維持決定に対して裁判所に不服申し立てをした場合、口頭弁論を経ないで訴え却下となります(行政事件訴訟法7条,民事訴訟法140条)。訴え却下となった具体例が、知財高裁令和3年4月28日(令和3年(行ケ)第10022号)です。
2 本件訴えのうち,本件決定の取消しを求める部分の適法性について(第1の2関係)
商標法43条の3第4項は,審判官は,登録異議の申立てに係る商標登録が,同法43条の2各号の一に該当すると認めないときは,その商標登録を維持すべき旨の決定をしなければならないと規定し,同法43条の3第5項は,前項の決定に対しては,不服を申し立てることができないと規定している。
しかるところ,本件決定は,本件商標の商標登録を維持すべき旨の決定であるから,本件訴えのうち,本件決定の取消しを求める部分は,同法43条の3第5項の規定に違反するものであって,不適法である。
3 結論
以上によれば,本件訴えは,不適法であって,その不備を補正することができないから,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法140条により,口頭弁論を経ないで本件訴えを却下することとし,主文のとおり判決する。
・商標法43条の3
(決定)
第四十三条の三 登録異議の申立てについての審理及び決定は、三人又は五人の審判官の合議体が行う。
2 審判官は、登録異議の申立てに係る商標登録が前条各号の一に該当すると認めるときは、その商標登録を取り消すべき旨の決定(以下「取消決定」という。)をしなければならない。
3 取消決定が確定したときは、その商標権は、初めから存在しなかつたものとみなす。
4 審判官は、登録異議の申立てに係る商標登録が前条各号の一に該当すると認めないときは、その商標登録を維持すべき旨の決定をしなければならない。
5 前項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
●加筆・修正前の記事
・商標法43条の3 決定
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