契約の種類(諾成契約と要物契約)
契約の種類・分類として、諾成契約と要物契約があります。
諾成契約(だくせいけいやく)は、当事者の合意だけによって契約が成立します(民法521条、522条)。
民法の私的自治の原則では、当事者の意思に基づいて法律行為が行われるとされます。この原則に基づき、契約においても当事者の意思により成立するとしたのが「諾成契約」です。日本で行われている契約の殆どは諾成契約といえます。
一方、当事者の合意だけでは契約が成立せず、目的物の受け渡しが必要な契約を要物契約(ようぶつけいやく)と言います。
具体的には、顧客の注文・申込を店舗が受け入れた時点で諾成契約は成立します(民法522条1項)。一方、要物契約であれば、顧客の注文・申込を店舗が受け入れた後、金銭や商品の引き渡しをした段階で契約が成立します。
顧客が注文・申込をし、お店が注文・申込を了承した時点で契約が成立するのが「諾成契約」であり、諾成契約の典型例が売買契約です。
売買契約では、顧客の注文を店舗が受け入れた時点で契約が成立します。売買契約は、売主と買主の合意によって成立し、その後契約に基づいて売主が買主に目的物を引き渡すことになります。
※諾成契約では、目的物の引渡しがされていない段階で、当事者の合意があれば成立します。
現状の民法では、書面または電磁的記録によらない消費貸借契約のみが要物契約とされています(民法587条)。
見方を変えると、、書面または電磁的記録によらない消費貸借契約「以外の」契約(典型契約)は、諾成契約です。また、民法で定められていない各種の契約(非典型契約)も、諾成契約です。
一方、「要物契約」は顧客が注文・申込をし、お店が注文・申込を了承した時点では契約は成立しません。
例えば要物契約である金銭消費貸借契約の場合、貸主が借主に対して貸付金を交付した時点で契約が成立し、あとは借主が貸主に対して借りたお金を返部分が残ります。
・民法521条 契約の締結及び内容の自由
(契約の締結及び内容の自由)
第五百二十一条 何人も、法令に特別の定めがある場合を除き、契約をするかどうかを自由に決定することができる。
2 契約の当事者は、法令の制限内において、契約の内容を自由に決定することができる。
・民法522条 契約の成立と方式
(契約の成立と方式)
第五百二十二条 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。
・民法587条 消費貸借
(消費貸借)
第五百八十七条 消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
・民法587条の2 書面でする消費貸借等
(書面でする消費貸借等)
第五百八十七条の二 前条の規定にかかわらず、書面でする消費貸借は、当事者の一方が金銭その他の物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。
2 書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。この場合において、貸主は、その契約の解除によって損害を受けたときは、借主に対し、その賠償を請求することができる。
3 書面でする消費貸借は、借主が貸主から金銭その他の物を受け取る前に当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは、その効力を失う。
4 消費貸借がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その消費貸借は、書面によってされたものとみなして、前三項の規定を適用する。
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