既判力の根拠について
既判力(実質的確定力)の民訴での根拠は民訴114条です。
また、既判力の範囲は、民訴115条です。
民訴の条文以外の既判力(実質的確定力)の正当化根拠としては、
①民事訴訟に紛争解決機能を持たせるためには、既判力は不可欠であること、
②前訴手続きで手続保障が与えられた(争える機会があった)事に対する自己責任、
の2点があります。
まず①ですが、民事訴訟の目的の一つである、紛争解決機能を確保するためです。具体的には、訴訟は訴訟物の有無についての争い(紛争)ですが、この訴訟物の有無の判断を確定させて、事後の蒸し返しを禁止しない限り、紛争は終了しません。民事訴訟に紛争解決機能を持たせるためには、既判力は不可欠という考え方です。
次に、②ですが、訴訟手続きでは口頭弁論により、当事者双方の主張立証が制度的に保障されています。このため、手続が保障されているため、その後の蒸し返しを禁止することも正当化されるという考え方です。
●参考文献
・和田吉弘(著)『基礎からわかる民事訴訟法』(商事法務,2012年)427-433ページ
・民事訴訟法114条
(既判力の範囲)
第百十四条 確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。
2 相殺のために主張した請求の成立又は不成立の判断は、相殺をもって対抗した額について既判力を有する。
・民事訴訟法115条
(確定判決等の効力が及ぶ者の範囲)
第百十五条 確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。
一 当事者
二 当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人
三 前二号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人
四 前三号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者
2 前項の規定は、仮執行の宣言について準用する。
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