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もはや化石級!?ドイツの学校制度をのぞいてみる

こんにちは、ドイツ在住「煮ても焼いてもドイツ」のニヤキです。
ドイツ生活のあれこれを中心に情報発信をしています。


先日、下の子どもが小学校に入学しました。
ようやく、人生の次のステップへ進んだか・・・という感じです。

ドイツの小学校入学式の名物(?)と言えば、Schultüte(シュールチューテ)。これは円錐型(とんがりコーン型)のデコられた筒(紙のものと布のものがある)の中にプレゼントを入れて、入学式のときに持参するという変わった習慣です。

まずはこちらのSchultüteからご紹介します。


*ドイツの入学式を彩る「Schultüte」の物語


ドイツで小学校に入学する子どもたちの手には、必ずといっていいほど大きな円錐形の袋が抱えられています。
これが「Schultüte(シュールテューテ)」です。

カラフルな厚紙を円錐型に丸め、上部を布や紙で覆ってリボンで結んだ姿は、まるで巨大なアイスクリームのよう。
中にはお菓子や文房具、小さなおもちゃなどがぎっしり詰められ、子どもにとっては入学の日の最大の楽しみとなっています。

こんな感じのものです。
↓ ↓ ↓

こちらはランドセルブランドの会社が出しているもの


布製のもの


我が家が入れた中身

新学期が近づくと、文房具屋さんなどのお店にはこのSchultüteが並びます。
既に出来上がったもの、自分で一部アレンジできるようになっているもの、もしくは自分で作りたい人へ向けたキットなど。

主流は厚紙でできたSchultüteですが、私は上の子が小学校へ上がる際、知り合いの日本人お母さんから、
「子どもはSchultüteを捨てたがらないからとっておくことになるけど、紙だからだんだんボロボロになっていくよ。あとからクッションとして使える布製がお勧めだよ。」
と言われ、そうか!と当時はまだあまり見かけなかった布製のSchultüteにしたのですが、助言通りにして大正解。
今でもクッションとしてベッドの上で使っています。(結局ボロボロにはなってきたけれど・・・)

上の子のときは、下の子が赤ちゃんだったこともあり、手作りする余裕なんて全くなく、オンラインで買いました。
今回も買う気満々だったのですが、布のSchultüteは広く普及し、種類も増えていたものの、なんだか私が記憶していたよりも値段が上がっている気がする・・・。

・・・ということで、私は布で手作りしました。(一苦労・・・)
でも、これって入学式へ持って行くけれど、式のときは親が預かるし、式が終わると子どもたちだけが教室へ移動して30分位時間を過ごすのですが、そのときも親が持っていないといけないし、そのまま自宅へ持って帰ってきて、それからようやく開けて中身を見る、というもの。

・・・学校へ持って行く、意味!?
と私は疑問でいっぱいです。
まぁ、写真には、映える・・・かな(苦笑)

円錐型の理由

では、なぜ、こんな形なの!?という理由。
Schultüteの形は基本的に円錐型です。持ちやすく、作りやすいという実用性もありますが、何より「袋の中に夢やご褒美が詰まっている」という象徴性を強調する形でもあるそうです。
近年では六角形や八角形の底を持つバリエーションも登場していますが、やはり伝統的な円錐型が主流です。(その方が作りやすいし・・・)

起源は18世紀末のザクセン地方

この一風変わった風習はどこから来たの???
と思いますよね。
それはこういう物語がありました。

この習慣の始まりは18世紀末、ドイツ東部のザクセンやテューリンゲン地方にさかのぼります。1781年には牧師の息子が「入学のときに先生からZuckertüte(砂糖袋)をもらった」と記録しており、1801年には「古くからの習慣」として大きな袋を受け取った例も残っています。

当時は「先生の家にZuckertütenbaum(お菓子袋のなる木)があり、袋が大きく育つと入学の時期になる」と子どもに語られていたそうです。夢のある言い伝えとともに、入学という節目を甘いご褒美で祝う文化が根づいていったそうです。

そんなこんなったで、ところ変われば学校の習慣や制度も色々。
うちの兄妹は5歳年が離れており、上の子は日本でいうと中1(7年生)なので、中等教育の学校へ通っているのですが、2人の子どもたちを通して体験したドイツの学校制度についてご紹介したいと思います。

*10歳で人生が決まってしまう教育制度!?


義務教育は9〜10年で日本と変わりませんが、小学校(Grundschule)はなんと、基本的に4年間で終了します。
(ベルリンやブランデンブルク州は6年制)
実はこの後が大きな分かれ道です。

小学校を終えると、子どもたちは成績や適性に応じて進学先が振り分けられます。大きく分けると以下の3種類です。
・・・はい、10歳そこそこで「振り分け」られてしまうのがドイツという国です。

  • Gymnasium(ギムナジウム) 大学進学を目指す学術コース。12〜13年生まで通い、最終試験「アビトゥーア」に合格すれば大学への道が開けます。

  • Realschule(レアルシューレ) 実務的・専門的な職業に向けた学校。10年生で卒業し、職業訓練や専門学校へ進むケースが多いです。

  • Hauptschule(ハウプトシューレ) より実践的な職業教育に直結する学校。9〜10年生で卒業し、職人や実務職への道に進みます。

さらに私たちの住む州を含め、一部の州には Gesamtschule(総合学校) という仕組みもあり、成績に応じて柔軟に進路を変えられると言われています。

うちの子どもは現在、下の子が公立の小学校、上の子が私立のギムナジウムに通っています。

200年同じ制度!?プロイセン時代から続く伝統

この制度が「古い」と言われるのは、実はその起源が19世紀初頭のプロイセン王国にあるからです。プロイセンは当時、近代的な国民教育制度を世界に先駆けて整えました。すべての子どもに初等教育を義務づけると同時に、学力や適性に応じて進路を分ける「複線型システム」を導入したのです。

この「早い段階で進路を分ける」という考え方は、200年以上経った今もドイツの教育制度に色濃く残っています。20世紀に入り、ギムナジウム・レアルシューレ・ハウプトシューレという三分岐が確立し、現在も多くの州で維持されています。

早期振り分けの弊害は・・・?

この制度の最大の特徴は、10歳前後という早い段階で将来の進路がほぼ決まってしまうことです。日本のように「とりあえず中学までは全員一緒」という仕組みではありません。メリットとしては、学力や適性に応じた教育を早くから受けられる点があります。一方で「まだ子どもの成長はこれからなのに、進路を決めるのは早すぎるのでは」という批判も根強いです。

私もこの制度には疑問を抱いています。
例え、学校間で移籍がある程度は可能にしても、どの学校へ行くかによって環境は大きく異なり、よって生徒の雰囲気や家庭の方針もかなり学校によって異なります。

各家庭の教育に対する温度差も当然反映されますし、特にドイツは移民国家でもあるので、本当に、想像を絶するくらい異なる環境の人たちが集まってきたりもします。

朱に交われば・・・ではないですが、色々な「朱」があり、それこそ10歳の良くも悪くも色々と吸収する年頃の子は、いかようにでも染まってしまうという可能性はぬぐい切れません。

どのようにして進学先を選ぶのか?

では、どのようにして進学先が決まるのでしょうか?
進学で参考にされるのは小3と小4のときの成績。(小4は前期まで)
その成績を元に、学校で三者面談が行われ、話し合いがもたれます。
そして小学校からの推薦状を貰い、その中にどの種類の学校を推薦するかが書かれており、大体それを元に希望する学校へ成績表と共に提出します。
(中には願書の他に作文や面接があるところも)

小学校からの推薦がなくても、一応別の種類の学校(例えばReal Schuleの推薦しかなくてもGymnasiumへ出願する、など)へ希望を出すことは可能ですが、希望が通るかどうかはそのときどき、学校によっては推薦状がなければNOというところもあるみたいです。

今は各家庭がどの種類の学校にするか決める主導権がありますが、私の旦那が子どもだったときは、学校からの推薦は絶対だったそうで、その推薦というのもとても主観的というか(そもそもドイツの成績のつけかたがとても主観的)、担任に好かれているか否か、で結構運命が変わったと聞きました。

旦那の場合、小学校の担任にとても嫌われていたこともあり、推薦が出たのはReal Schule。旦那のお母さんは何度も抗議したみたいですが、担任は推薦を変えず。

結局、旦那はReal Schuleに進学し(ちなみに、Real Schuleでの授業や先生は本当に熱心でよかった、とのこと)、途中でGymnasiumへ移籍。
結局、大学へ行き、博士号まで取得したので、小学校の先生も適当な推薦をしたものです。

卒業後の進路も多様です。大学に進むだけでなく、職業訓練(Ausbildung) という制度を通じて企業で働きながら学ぶ道も広く整備されています。いわば「働きながら学ぶ」仕組みで、ドイツの強い職人文化や専門職の基盤を支えています。
この部分に関しては、「手に職」のある人が守られ、大切にされている文化であるため、いいなと思います。
一方で時代の流れによってこれまでの伝統的な職の在り方が変わってきているという話もちらほら耳に入ります。

ドイツの学校に感じるフラストレーション

今回、深堀はしませんが、ドイツで義務教育を受けさせている子どもの親として、正直ドイツの学校制度や在り方、先生のメンタリティーにはがっかりさせられてばかりです。

いかんせん、基本的には200年前から変わっていない学校制度と価値観の中で、戦後これまでは「勝ち上がってきた」というような国としての自負があるとは思いますが、世界の潮流から大きく外れてきていることにも気づかず、自分たちのプライドを守り、現実を直視しない人が多い国の子どもたちにどんな未来があるのかな、と正直斜に構えてしまっている自分がいます。

ここら辺の話はまた別の機会に・・・。

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