Photo by
atb8239
社会科学的に考える中東での革命の成否について
2026年1月14日現在、イランでは大規模なデモが起きているようだ。ネットが封鎖されていることもあり、正確な情報はなかなか伝わってこない。とにかく、予断は許さない。
ところで、私は2011年から2013年にかけて、神戸大学大学院国際文化学研究科(国際関係・比較政治論コース)に所属していた。修士課程では30単位の履修が必要だ。私が履修した授業のひとつは「民主化」をテーマにした。簡単に書けば、「どのような状況下で、独裁国家の民主化は成功するのか」を学ぶ授業だった。
私の専門は中東ではないが、授業を担当した教員は中東政治を専門にしていた。授業で今でもはっきりと覚えていることは「民主化革命が成功するか否かの一要因として、デモ隊の人々をかくまうスペースの有無が挙げられる」というものだ。
たとえば、1980年代末に発生した東ドイツでのデモでは、教会がデモ参加者をかくまった。そのおかげで、デモが壊滅的に弾圧されることは回避されたのだ。
翻って、イランはどうだろうか。確かに、個人単位ではデモ隊をかくまうのかもしれない。しかし、イスラーム体制という性格を考えると、モスクは避難所にはなりにくい。なかなか、デモ隊をかくまうスペースをつくることは難しいのではないだろうか。
このように、独裁体制における民主化を論じる際は、人々のお気持ちを分析するのではない。成功した事例を抽象化、データ化した上で、現在の事象と照らし合わせるのだ。
