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山のふもとの、小さな宇宙 - 神勝寺「禅と庭のミュージアム」のこと

山のふもとの、小さな宇宙
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神勝寺「禅と庭のミュージアム」のこと

広島県福山市の山あいに佇む、神勝寺。名前に「禅と庭のミュージアム」と添えられているとおり、ただの“お寺”ではない。訪れる者の五感と、そしてその奥にある意識をゆっくり 揺らしてくれる。

神勝寺が建立されたのは、意外にも1965年。歴史のある寺社の中では比較的新しいが、そこに流れている空気は、どこか時空を超えた深みを持っている。創建したのは、常石造船二代目社長の神原秀夫氏。海を渡る船を造っていた一族が、次に選んだのは 「意識の舟」 を浮かべることだったのかもしれない。

約7万坪の広大な敷地には、滋賀県から移築された17世紀の堂宇や、千利休の茶室を復元した建物、白隠禅師の禅画・墨跡約200点を展示する「荘厳堂」などが点在する。静かな時間の 流れる空 (クウ)・・・。

水面に浮かぶ雨の波紋がきれい

なかでもひときわ異彩を放つのが、《洸庭(こうてい)》と名づけられた瞑想インスタレーション。現代美術家・名和晃平と彼の率いる「Sandwich」による設計で、外観はノアの方舟のような木のかたまり。中に入ると、静寂のなかで波に反射する光が壁を流れ、深くやわらかな音が空間を満たしていく。言葉にできない感覚が、内側からそっと浮かび上がってくる。


ノアの方舟みたい・ずっと同じテーマで上映


瞑想インスタレーション・Kohtei


人は、いつのまにか自分という “箱”をつくって、その中から世界を見る。
でもこの舟の中では、その形がふわりとほどけていくような、不思議な感覚に包まれる。

神勝寺の禅体験は、洸庭だけではない。坐禅、写経、茶礼、そして宿坊滞在まで、静けさと向き合うプログラムが多彩に用意されている。「喫茶去(きっさこ)」、一碗のお茶をいただくこともまた、禅の入口。

神勝寺の背景には、実はもう一つの “舟”がある。

それが、瀬戸内の絶景を見渡すリゾート「ベラビスタ」
同じ創業家によって育まれてきたこの場所もまた、ただのホテルではない。

現在、ベラビスタは耐震工事を含む大規模な建て替えの真っ最中。再オープンは3年後を予定しているというが、それを楽しみに待っている常連客が多いというのも納得。
というのも、ここの経営方針には「禅」にも通じる思想がある。

社長は長く座りつづけることなく、役割を“巡らせる。
水のようにとどまらず 流れることで、風通しをよくし、無限の可能性をひらいていく感じ

伝統やしきたりも、美しい。
けれど、とらわれすぎれば、それはやがて「不自由」になってしまう。
この寺、この空間、この“在り方” が伝えてくれるのは、そんなメッセージかもしれない。

禅とは、「自分という存在の意識の領域に気づく」ための 無限にある一つの扉
その扉は、建物のかたちをしていることもあれば、一碗のお茶や、雨音、風に揺れる松の葉の音だったり、人間の心の優しさだったりする。

ピンクの山つづじが旬


現在は1日禅体験のみ


2026年には、神勝寺の宿坊もリノベーションを終える予定だという。
泊まってみたいお寺ナンバーワン 😃

訪れる機会のある方は、ぜひ、ベラビスタとセットで✨

変わりゆくものと、変わらずそこにあるもの。
雨の中 神勝寺の庭を歩きながら、ふと浮かんだのは、すでにこの世界から旅立った愛する人たちのこと…

この場所は、
山のふもとに広がる、小さな宇宙なんだとおもう。
romi

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