石蕗南地区の放火~鍵のない夢を見る②~読書記録~直木賞受賞作⑤
短編小説集の2篇目「石蕗南地区の放火」についての読書記録です。
※以下、内容についてふれています。ご注意ください。
主人公 笙子(36歳) ドラマでは、木村多江さんが演じられたようです。
笙子の実家近くで不審火があり、放火が原因…あろうことか地元の消防団の一員が火をつけた。
その男(大林)と笙子は顔見知りで、一度デートに行ったことがあります。ところがそのデート先で恥ずかしい思いをして…
笙子の業務は、町村の持つ物件に関わる保険事業で、それらの災害に対して共済金を支払うことも担っています。そのことを知っている大林が、メールアドレスも携帯電話番号も変えて会わずにいた笙子と”火災現場”で偶然の再会(?)を果たす…
「火をつけたのは大林なのではないだろうか」 笙子の心に疑念が湧きます。
ほどなく大林は逮捕されます。
『ヒーローになりたかった』
笙子役を演じた木村さんは
もし笙子のような女性が周りにいたら? という質問には「恋愛が怖くなって相手を否定してしまうところってあるけど、相手のいいところを見るようにしないと。結婚生活となると、また新たな修行が始まると思うので…(笑)」と含みのある笑いを浮かべながら語っていたそうです。
また『八百屋お七』が小説の中で紹介されていました。実在する人のようです。
寺小姓に恋したお七が「また火事になれば、寺に避難して恋しい庄之助に会える」という一途な思いから自宅に放火してしまったというお話です。
大林は、『八百屋お七』の現代男版なのでは? と笙子は考えるのでした。
自分では”善意” ”親切”と思って行っていることが、実は迷惑であったのかもしれない…ということを度々経験して来ました。「喜んでもらえること」は、大切なことであり、嬉しいことでもあります。
その行為自体に自分自身が満足する…というスタンスで生きたいと思います。
笙子の後輩で、”きちんと話したはずなのに、大雑把にしか話を聞かない人”も登場しています。 話の伝わり方や解釈の仕方も人それぞれ…改めて言葉の重みを大切にしたいと思いました。
