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管理組合の理事会

  昨日の午前中、当マンションの管理組合理事会があった。総戸数は四十戸ほど。人形町界隈では、ごく平均的な小規模マンションである。住民が一年交代の輪番制で理事を務める決まりだから、七、八年に一度、順番が回ってくる。今年はその番を務めている。
 
 実際の管理業務は専門の業者に委託しており、理事会では月に一度、その報告を受けて承認する。特別な事件が起きない限り、会合は淡々と進む。良く言えば平穏、悪く言えば少々味気ない。
 
 会場は中央区の久松町区民館。マンションから徒歩五分ほどの距離である。午前十時半開始に合わせ、ウォーカーを押し、隣から“監視人殿”(通称、妻)が腕を添える、いつもの二人三脚で出向いた。
 
 会議室に入ると、理事は私のほかに一名だけ。理事長は正午に合流するとのこと、欠席が二名。人影のまばらな会議室に、いささか拍子抜けした空気が漂った。まあ、こんなものか、という気もする。
 
 今回の議題は、次回の管理組合総会に諮る今年度決算と来年度予算案。当マンションの会計年度は十一月から翌年十月までで、今年は十三年に一度の大規模修繕を終えた年にあたる。工事は大過なく、無事に済んだ。
 
 詳細な説明を受けながら、出席者が少ない分、こちらも妙に真面目に耳を傾ける。二、三、質問もした。管理費会計も修繕積立会計も、数字を眺める限り、まずまずの余裕があり、当面値上げの必要もなさそうだ。毎月それなりの金額を支払ってはいるが、破綻の気配がないのはありがたい。管理を委託している業者さんの手のひらで、上手に転がされているのだろう。それでも、今のところ転がし方は穏やかで、特に文句を言う理由もない。
 
 監事として、会計に問題がないことを確認し、書類にサインして押印した。次は一月の管理組合総会。それで、私の理事としての役目は終わる。
 
 このマンションを購入したのは二〇一二年のことだ。その後、姫路に赴任し、しばらく空き家になっていた。二〇二一年、退任を機に東京へ戻り、再びここで暮らし始めた。オフィス街でありながら、下町の気配が残るこの街は、思いのほか居心地がいい。
 
 午後になれば、監視人と二人、近隣を散歩するのが日課になった。生きている限り、そして二人で歩ける限り、この場所で暮らしていくつもりでいる。

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