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浜町公園・人形町通り・黄金芋

  晩秋の小春日和が続いている。昨日の午後も、澄んだ青空が頭上を満たし、ひんやりした風が頬をかすめた。二時を過ぎたころ、いつものように散歩に出かける。ウォーカーを押す私の左腕には、控えめに手を添える「監視人殿」(通称:妻)。毎日の二人三脚がすっかり板につき、この界隈では顔を覚えられてしまったかもしれない。
 
 散歩の目的は、人形町・寿堂の黄金芋。とはいえ、それだけでは歩き足りない。そこで、浜町公園から人形町通りへ抜ける、少し遠回りのコースを頭に描いた。前日、緑道の交差点で信号工事をしていたのを思い出し、甘酒横丁側から緑道に入り、明治座前の銀杏並木へと出ることにした。
 
 銀杏の黄葉はいまが盛りだ。幹からまっすぐ伸びた枝に、陽光を受けた黄色い葉がきらきらと輝く。風が吹くたび、舞い上がった葉が宙でひらりと返り、金の粉のようにきらめいた。足もとには、落ち葉がうっすらと絨毯を敷き、歩くたびに小さく音を立てる。並木を抜けると、浜町公園の正面に出た。

明治座前の銀杏並木遊歩道 正面が浜町公園

  広場では、子ども連れやわんこ連れが思い思いに行き交っている。定点観測のベンチには寄らず、スポーツセンター脇を通り抜けて東口へ。そのまま新大橋通りへ出て、トレナーレのタワーや街中華の日高屋を横目に水天宮前の交差点へ向かう。角を曲がれば、右手に老舗の和菓子店・寿堂が見えてくる。黄金芋を十個、手土産用に包んでもらった。
 
 最後に所定の買い物を済ませて帰宅。スマホを開くと三千二百歩。前日の二千九百歩を軽く越え、ちょっとした達成感がうれしい。
 
 実は今日、六十年来の旧友夫婦と人形町で会食することになっている。きょうの黄金芋はそのための手土産だ。上品な甘さと素朴な姿が、昔話に花が咲くひとときに、そっと彩りを添えてくれるだろう。

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