見出し画像

スーツがはちきれそう

わたすは、いっつも時間にギリギリだ。
おかしい。余裕を持って出てきているはずなのに。

いろいろな、ある意味ミラクルなことが重なり、時間は過度に消費されつづけている。そのほとんどが、無駄な時間なのである。そしてその要因はわたすの計算ミスによって起こる。つまり、わたすの見通しの甘さ、そのものにほかならない。
今日も余裕を持って出てきたはずだ。前の用事なぞ30分もかからぬと思って、でも念の為、次の仕事につかう道具も持っていっておこうと、用心深いわたすがここぞとばかりに顔をだす。
無駄に重くない? めんどうくさくない? と怠惰なわたすと喧嘩をしながら。
しかし、30分もかからぬと思っていた用事は1時間を悠に超えた。結果として、持ってきて大正解。そして、問題はここからだ。
たまたまちかくで、前から行きたいと思っていたお店があった。次の仕事まで、すこしばかし時間があると思って入ってみた。オーダーをしてから、気がつく。意外とギリギリなんじゃないか。電車の、時間が。
そしてくいしんぼうなわたすが顔をだす。大丈夫、巻ける。そう、わたすはどんなたべものだって、飲み物のように扱える女。見くびってもらっては困る。この前なぞ、息子の小学校の引き渡し訓練に行く時間がほんとうにギリギリで、でもナニカをたべなければ、発狂してしまう、というとき。ギリギリまで駅構内の立ち食い蕎麦にするか、高架下のすき家にするかで悩んだ。そして、すき家を選択。タイムリミットは16分。ちなみに、その駅から小学校まで徒歩10分ほど。つまり、わたすに残された時間は6分。しかし、わたすはイケる、と思っていた。すき家なら着丼まで1分。5分もあればたべられる。駄菓子菓子。そういうときに限って、わたすは迷うのだ。メニュー、なににしようと。迷ってる暇など1秒たりともないのに。メインは決めている。が、わたすの前に立ち塞がるのはランチセットという文字。サラダなどたべている時間はないと冷静に考えればすぐにわかるのに。しかし、お得という言葉にめっぽうよわい、わたす。野菜も摂りたい。自分のために。身体がそう叫んでいる。決めた。漬物セットにしよう。この決めるまでの時間がいちばん長かったであろう。しかも、タブレットメニューから頼みたいメニューをえらぶのにもまた時間を要する。便利なようで便利でないとわたすはいつも思っている。そしてやきもきしながら時計を見れば3分経過している。すき家さんは優秀なのでサッと牛丼をだしてくれる。わたすはそれをひと息で食す。だれよりもあとにこのすき家にはいったのに、だれよりも先にすき家をあとにする。え。わたす、カッコよくないか。突然の自画自賛。とはいえ、残り時間は10分を切っている。しかし、しょせん、引き渡し訓練。◯時から引き渡し開始である。クラスにはそれぞれの保護者たちが列をなす。順番がくるのに時間を要するはず。しかし、不安になる。もし、校長先生のはなしが早く終わっていたら!? みんながスルスルと引き渡されていったら!? なかなか迎えのこない息子の不安そうな顔が脳裏を掠める。そして、そういう時に限って信号やら踏切がわたすの行く手を阻む。小学校目前で2.3分オーバー。しかし校庭ではまだ先生のはなしが行われているようだ。たすかった。
息子はたぶん5人めくらいに引き渡された。きっとわたすのおろしポン酢牛丼のネギくさい息とともに。ということがあったので、わたすも今日も余裕だと思ったのだ(あの、いまのははなしの前置きです)。料理さえ、早く出てくれば。しかし、すこし時間がかかった。とはいえ、今日のランチはグリーンカレー。カレーは飲み物である。まちがいない。アイスコーヒーとデザートまでいただく。電車の時間まであと10分。余裕だと思った。今日のわたすチャリ乗ってきてるし。駅前に駐輪場あるし。しかし、なんだかんだ時間は過ぎ去っていき、駐輪場はもうすでにパンパンだった。まずい。停めるスペースがない。しかし、わたすの心には仙道がいる。まだあわてるような時間じゃない、と冷静にいう。そう。秘技。詰めるのである。既に停車してある自転車を詰めて、わたすのスペースを作るのである。作戦は奏功す。そして時計をみれば、電車の来る時間。終わった。わたすの本日の予定が終わった。ひとまず駅に向かえば電車が来そうな気配がする。まぁ、とりあえず向かってみるか。駅の電光掲示板が教えてくれた。35分に来ると思っていた電車は37分だった。なんと、わたすは電車に間に合った。ミラクル。ありがとう。あんなに乗り換え案内を穴が開くほどみつめたのに。まさか時刻を勘違いしているなんて。
控えめにいって、わたすって最高。




なんのはなしですか。


あの、
おしまい。





いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集