[ モンブラン失言 ]:毎週ショートショートnote(モンブラン失言)
↑コチラのお題【モンブラン失言】に参加して見ました。
うーん、410字くらいにまとめるの難しい……
ということで、900字オーバーのショートショートです😊♪

[ モンブラン失言 ]
モンブラン食べたい。
目の前に聳え立つ魅惑の茶色い山。
てっぺんに鎮座する栗が神々しい輝きを放っている。
高校バレー部、男女合同の打ち上げ会場。
男女ともに県大会で優秀な成績を収めたことにより、顧問の先生とOB・OGから、地元で有名なスイーツ店のケーキが振る舞われてる。
ケーキは人数分より多い。
なのに、モンブランはひとつだけ。
私は、モンブランが大好き。
すぐにでも取りたい。
でも……。
3年女子に、モンブランが大好きな先輩がいる。
私は1年。
無理。
絶対に無理。
先輩は他の先輩と話していて一向にケーキを取る気配がない。
気の抜けたジンジャーエールが入った紙コップを持ち、じーっと、モンブランを見つめている私。
その目線に、人影がよぎる。
私の目は、彼の動きに敏感だ。
3年男子の佐藤先輩。
佐藤先輩が動くたびに、私の目はすぐに反応する。
そんな佐藤先輩が徐に、モンブランに手を伸ばす。
えっ、
佐藤先輩の手に乗り、持ち上がるモンブラン。
あー、佐藤先輩に食べられるなんて、いっそ私がモンブランだったらいいのに、なーんて思っていたその時、佐藤先輩と視線が合う。
そして、
「栗山、モンブラン」
えっ、
ハイ、私はモンブラン好きの栗山ですがなにか?
手にしたモンブランを私の方へ差し出す佐藤先輩。
「あ、あ、あ、」
あたふたあたふた。
佐藤先輩、モンブランはダメですよー。
「どした栗山、好きだろ、モンブラン」
手に持ったモンブランを「んっ」と顎で取れと合図をする。
大好きな佐藤先輩が差し出す大好きなモンブラン。
「あー、ありがとうございます」
モンブランを受け取りながら、少し、女子先輩を見る。
あ、ちょっと睨んでる?
すぐに視線をずらす。
佐藤先輩からモンブランを受け取った手の震えが止まらない。
恐怖?
緊張?
ううん、違う。
私が、モンブラン好きだということを、佐藤先輩は覚えていてくれた。
何ヶ月も前、入部の挨拶で言っただけなのに。
それが、嬉しくて、嬉しくて震えが止まらないのです。
「なんだよ佐藤、栗山を口説いてんのか!」
「ちげーよ、そんなんじゃねぇよ、オレ、モンブラン嫌いだし」
男子部員から揶揄われている佐藤先輩。
もう、佐藤先輩、いろんな意味でそれ失言です。
でも、ありがとうございます。
ひとくち食べるモンブラン。
もー、幸せすぎて、甘さにとろけてしまいそうです。
おしまい。
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