[ 理想の住まいを見つけたよ ]:毎週ショートショートnote(惑星総転居)

[ 理想の住まいを見つけたよ ]
「おもいきって転居して、よかったですねぇ」
と、お母さんの木星は言いました。
「いいところに来れたね、母さん」
と、お父さんの土星は言ったあと「前は、酷かったからなぁ……」
「大恒星だけの時はよかったですけど、あとに加わった双子恒星がダメでしたね」
「あの、気まぐれ双子恒星は、最悪だった」
「代わる代わる私たち家族の側まで来るようになって」
「おちおち公転してられないし、夜なんて、全く無かったからな」
「しかも大恒星が喜んで、ギラギラ輝き出したから、熱くて熱くて」
「永遠に続く灼熱地獄」
「子どもたちの体調が心配で心配で」
「生まれたばかりの火星と、長男の海王はなんとか元気だったが、天王は辛そうだったな」
「ええ、私たちも限界でしたし『ここから逃げ出したい』って思ってたときに冥王さんが声をかけてくれたのよね、いい恒星があるって」
「太陽って、新しい恒星」
「周囲には太陽しかなく、穏やかな生活をしている、って」
「だいぶ辺境の地だったけど、転居してよかった」
「天王も元気になって、海王はさらに元気になっちゃって」
木星母さんは、海王と天王の姿を見て微笑みながら「この穏やかな環境なら、もっと家族を増やしたいわね」
「そうだな、あと三星くらいなら、いけそうだな」
土星父さんも笑顔で言いました。
「きっと太陽のそばなら、火星のようにスクスクと育ちそうですね」
木星と土星は、育ち盛りの火星に優しい視線を送りながら、その先で穏やかに浮かぶ太陽を見つめました。
おしまい。
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