【保存版】給与明細をただ見て終わりにしない。住民税通知書で確認する5つのこと
6月の給与明細などと一緒に、会社から住民税の通知書を受け取ると思います。
正式には、自治体によって少し名前が違います。
「給与所得等に係る市民税・県民税・森林環境税 特別徴収税額の決定通知書」のような長い名前で届くこともあります。
名前は難しいですが、見る目的はシンプルです。
去年の収入や控除をもとに、今年6月から翌年5月まで、給与からいくら住民税が引かれるかを知らせる書類です。
正直、私も今までは、こういう通知書をもらっても開いてさらっと見て終わりでした。
給与明細も、手取りだけ見て終わり。
住民税が高いな。
社会保険料も高いな。
そのくらいでした。
でも、住民税通知書を読むと、去年のお金の使い方が数字で返ってきます。
ふるさと納税は反映されているか。
保険料控除は入っているか。
iDeCoは控除されているか。
住民税が増えた理由は何か。
今年のふるさと納税と投資額をどう決めるか。
ここまで点検できます。
この記事で扱うのは、細かい税金計算ではありません。
会社員が6月に受け取る住民税通知書で、最低限押さえるべき5つのことです。
確認するのは、この5つです。
1つ目は、今年の住民税がいくらか。
2つ目は、ふるさと納税が反映されているか。
3つ目は、保険料控除やiDeCoが入っているか。
4つ目は、住民税が増えた理由、減った理由。
5つ目は、今年のふるさと納税と投資額をどう決めるか。
住民税通知書をただ受け取って終わりにしない。
6月は、税金と投資余力をまとめて点検する月です。
まず、住民税通知書は何を表しているのか
住民税通知書は、今年度の住民税がいくらになったかを知らせる書類です。
会社員の場合、住民税は給与から引かれます。
これを特別徴収といいます。
ざっくり言えば、会社が毎月の給与から住民税を引いて、自治体に納める仕組みです。
ここで間違えやすいのは、6月から引かれる住民税が、今年の給料に対する税金ではないことです。
基本は、前年1月から12月までの所得をもとに決まります。
つまり、今年6月に受け取る住民税通知書は、去年の答え合わせです。
去年、ふるさと納税をした。
年末調整で生命保険料控除を出した。
iDeCoを掛けた。
医療費控除で確定申告した。
住宅ローン控除を使った。
それらが、今年度の住民税にどう反映されたかを点検できます。
給与明細を見るのは、そのあとです。
通知書に書かれた月ごとの住民税が、給与明細の控除欄に反映されているかを比べます。
通知書の全体像をざっくり押さえる
住民税通知書には、数字がたくさん並んでいます。
最初から全部を読む必要はありません。
まず見るのは、税金が決まる大きな流れです。
前年の収入がある。
そこから、税金をかける対象になる金額を出す。
その金額から、さらに差し引けるものを引く。
最後に税額が決まる。
この流れです。
ここで出てくるのが、「所得控除」と「税額控除」です。
言葉は少し難しいですが、イメージはシンプルです。
所得控除は、税金を計算する前に、対象になる金額を小さくするものです。
たとえるなら、レジで会計する前に、買い物カゴの中身を少し減らすようなものです。
生命保険料控除、社会保険料控除、扶養控除、iDeCoなどは、この所得控除側です。
一方で、税額控除は、最後に計算された税金そのものから差し引くものです。
たとえるなら、レジで支払う金額が決まったあとに、クーポンで直接値引きされるようなものです。
ふるさと納税や住宅ローン控除は、この税額控除側に関係します。
ざっくり言えば、
所得控除は、税金を計算する前に効く。
税額控除は、税金が出たあとに効く。
この違いです。
細かい計算式まで覚える必要はありません。
まずは、控除には「税金を計算する前に効くもの」と「税金から直接引くもの」がある、と押さえれば十分です。
1. 今年の住民税がいくらか
最初に押さえるのは、今年度の住民税です。
通知書には、年税額と月ごとの徴収額が書かれています。
6月分、7月分、8月分という形で、毎月いくら給与から引かれるかが示されています。
まず見るのは、この4つです。
年税額はいくらか。
6月分はいくらか。
7月以降はいくらか。
給与明細の住民税欄と大きくズレていないか。
6月だけ金額が少し違うことがあります。
年税額を12回に分けるときの端数が、6月に寄ることがあるためです。
なので、6月分だけでは判断しません。
7月以降の月額も押さえます。
住民税は、毎月の固定費に近いです。
家賃や通信費と同じように、手取りから先に出ていくお金です。
ここを知らずに投資額を決めると、あとから生活費が苦しくなります。
危険なサインは、前年より住民税が大きく増えているのに理由がわからない状態です。
原因として多いのは、前年の収入増です。
昇給。
賞与増。
副業収入。
残業代増。
こうしたものがあれば、住民税は増えます。
一方で、控除が減っても住民税は増えます。
扶養が外れた。
生命保険料控除が減った。
iDeCoをやめた。
医療費控除がなくなった。
ふるさと納税が反映されていない。
このような変化も住民税に影響します。
住民税が増えたこと自体が悪いわけではありません。
収入が増えた結果なら、前向きな変化です。
問題は、理由がわからないまま手取りだけ減っている状態です。
2. ふるさと納税が反映されているか
ふるさと納税をした人は、ここを必ず点検します。
ふるさと納税は、返礼品をもらって終わりではありません。
翌年の税金に反映されているかまで見て完了です。
住民税通知書で見る場所は、ここです。
税額控除。
寄附金税額控除。
摘要欄。
市民税の税額控除額。
県民税の税額控除額。
自治体によって表示は違います。
「寄附金税額控除」と分かりやすく書かれている場合もあります。
他の控除と合算されている場合もあります。
まず、前年にいくら寄附したかを出します。
ふるさと納税サイトの寄附履歴。
寄附金受領証明書。
確定申告書の控え。
この3つを手元に置くと点検しやすいです。
ワンストップ特例を使った人は、基本的に所得税の還付はありません。
そのかわり、翌年度の住民税が減る形で反映されます。
つまり、ワンストップ特例を使った人は、6月の住民税通知書で反映を点検します。
確定申告をした人は、所得税の還付と住民税の減額に分かれます。
ここで落とし穴があります。
医療費控除や副業などで確定申告をした場合、ワンストップ特例は無効になります。
ワンストップ申請を出していても、確定申告をするなら、ふるさと納税分も一緒に申告します。
ここを忘れると、ふるさと納税が反映されないことがあります。
危険なサインは、この5つです。
前年にふるさと納税をしたのに、通知書に寄附金控除らしき記載がない。
医療費控除で確定申告したのに、ふるさと納税を申告していない。
ワンストップ特例を使ったつもりだが、寄附先が6自治体以上になっている。
引っ越し後に、ワンストップ特例の住所変更手続きをしていない。
控除額が寄附額に対して明らかに少ない。
当てはまるなら、寄附履歴、申告内容、通知書を並べて点検します。
自分で判断しにくい場合は、自治体や税務署に確認します。
ふるさと納税は、使える人には便利な制度です。
ただし、上限内で、正しく手続きできた場合です。
「やったか」ではなく、「反映されたか」までしっかり確認が必要です。
3. 保険料控除やiDeCoが入っているか
次に押さえるのは、所得控除です。
代表的なものは、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、小規模企業共済等掛金控除です。
会社員なら、生命保険料控除や地震保険料控除は年末調整で出している人が多いです。
iDeCoをやっている人は、小規模企業共済等掛金控除に入ります。
ここで押さえるのは、控除の効き方です。
保険料控除は、払った保険料がそのまま戻る制度ではありません。
税金を計算する前の所得を小さくする制度です。
たとえるなら、レジで支払う前に、税金をかける対象額を少し小さくするイメージです。
払った保険料が丸ごと現金で戻るわけではありません。
だから、節税目的だけで保険に入りすぎるのは違います。
保険は、必要な保障を買うものです。
控除は、その結果として使えるものです。
この順番を逆にすると、毎月の保険料が重くなります。
そして、本来なら投資に回せたお金を削ることになります。
見るのは、控除額だけではありません。
毎月の保険料も一緒に点検します。
死亡保障。
医療保障。
がん保険。
個人年金。
貯蓄型保険。
それぞれ何のために払っているかを分けます。
必要な保障なら残す。
目的があいまいな保険は点検する。
節税より、保険料の重さを先に見る。
この順番です。
iDeCoは、税金面では強い制度です。
掛金が全額所得控除になります。
ただし、原則として老後資金の制度です。
すぐに引き出せません。
税金だけで見ると魅力があります。
でも、生活防衛資金が少ない状態で無理に掛ける制度ではありません。
iDeCoは、余裕資金で長く使う制度です。
節税額だけでなく、手元資金とのバランスまで押さえます。
4. 住民税が増えた理由、減った理由を確認
住民税は、前年の所得や控除をもとに決まります。
だから、増えた、減ったには理由があります。
住民税が増える主な理由は、前年の収入増です。
昇給。
賞与増。
副業収入。
残業代増。
申告した所得の増加。
こうしたものがあれば、住民税は増えます。
控除が減った場合も、住民税は増えます。
扶養が外れた。
生命保険料控除が減った。
iDeCoをやめた。
医療費控除がなくなった。
住宅ローン控除の影響が小さくなった。
逆に、住民税が減る理由もあります。
前年の収入が下がった。
扶養が増えた。
ふるさと納税が反映された。
iDeCoを始めた。
医療費控除を使った。
住宅ローン控除が入った。
大事なのは、増減だけで判断しないことです。
住民税が増えた。
手取りが減った。
だから悪い。
そう単純には分けられません。
収入が増えた結果なら、税金が増えるのは普通です。
一方で、控除漏れや申告漏れで増えているなら、点検が必要です。
税金の数字は、家計の通知表に近いです。
収入、控除、扶養、制度の使い方が、数字になって返ってきます。
増えた、減ったで終わらせない。
理由まで分けます。
5. 今年のふるさと納税と投資額をどう決めるか
6月の住民税通知書は、前年の答え合わせです。
同時に、今年の行動を決める材料にもなります。
まず、今年のふるさと納税です。
去年と年収や家族構成が大きく変わらないなら、去年の通知書は目安になります。
ただし、去年の数字をそのまま使うのは危険です。
今年の上限は、今年の収入見込みで決まります。
転職した。
退職した。
育休がある。
収入が下がりそう。
扶養が増えた。
副業収入が変わる。
iDeCoの掛金を増やした。
医療費控除が大きくなりそう。
住宅ローン控除がある。
このような変化があるなら、前年と同じ寄附額で考えないほうが安全です。
ふるさと納税は、上限を攻める制度ではありません。
家計に無理なく使う制度です。
食品や日用品を返礼品で受け取れば、家計に効きます。
ただし、上限を超えると自己負担は2,000円では済みません。
得する制度というより、もともと払う税金の一部を前払いして、返礼品を受け取る制度として考えたほうが安全です。
今年の年収見込みでシミュレーションする。
上限ギリギリを狙いすぎない。
年末に近づいて収入見込みが固まってから調整する。
確定申告する予定があるなら、ワンストップ前提で考えない。
この4つを押さえます。
次に、投資額です。
投資額は、気合いで決めるものではありません。
手取りから逆算します。
総支給ではなく、手取りを見る。
住民税と社会保険料を把握する。
固定費を引く。
生活費を引く。
急な出費に備えるお金を残す。
そのうえで、毎月いくら投資に回せるかを決める。
この順番です。
NISAを満額使いたい。
高配当株も買いたい。
インデックスも積み立てたい。
そう思う気持ちはあります。
でも、毎月の手取りを超えて投資額を決めると続きません。
投資は、続けられる金額でやるほうが強いです。
住民税通知書は、その金額を見直す材料になります。
住民税通知書で見る5つのチェック表

この表だけでも、住民税通知書を読む意味は変わります。
ふるさと納税を使うべき人、慎重にしたほうがいい人
ふるさと納税を使うべきは、こういう人です。
会社員で、所得税や住民税を払っている。
今年の年収見込みがある程度読める。
生活費を圧迫せずに寄附できる。
上限額をざっくり把握している。
返礼品を食品や日用品として使える。
こういう人は、家計にも効きやすいです。
一方で、慎重にしたほうがいい人もいます。
今年の収入が大きく下がりそう。
転職、退職、育休がある。
扶養が増えた。
医療費控除が大きい。
住宅ローン控除がある。
ワンストップと確定申告の違いがあいまい。
上限ギリギリまで寄附しようとしている。
この場合は、余裕を持ったほうが安全です。
ふるさと納税は、制度を正しく使えば便利です。
ただし、上限を超えた分まで得になるわけではありません。
保険料控除が多い人は、保険の中身も点検する
保険料控除が入っているかを見るだけで終わらせないほうがいいです。
控除があるから、その保険が正解とは限りません。
毎月1万円、2万円、3万円と保険料を払っているなら、そのお金は投資に回せたお金でもあります。
もちろん、必要な保障はあります。
小さい子どもがいる家庭。
住宅ローンがある家庭。
万一のときに家族の生活費を残したい人。
こういう場合は、死亡保障に意味があります。
一方で、目的があいまいな貯蓄型保険や、なんとなく入り続けている保険は点検対象です。
保険で備えるもの。
現金で備えるもの。
投資で増やすもの。
この3つを分けると、保険料の払いすぎを防ぎやすくなります。
節税になるから保険に入る。
これは順番が逆です。
必要な保障がある。
その結果として控除も使える。
この順番で考えます。
6月にやること
6月にやることは、シンプルです。
住民税通知書を出す。
給与明細の住民税欄を出す。
前年の源泉徴収票を出す。
ふるさと納税の寄附履歴を出す。
年末調整で出した控除書類を思い出す。
iDeCoをやっている人は、掛金が控除に入っているか見る。
医療費控除や住宅ローン控除を使った人は、確定申告の内容と通知書を比べる。
これで、前年の税金と今年のお金の動かし方がつながります。
6月の主役は、住民税通知書です。
給与明細は、その通知書どおりに住民税が引かれているかを見る補助資料です。
手取りが増えた、減ったで終わらせない。
去年のお金の使い方と、今年のお金の動かし方をつなげます。
まとめ
6月に受け取る住民税通知書で見るのは、住民税の金額だけではありません。
今年の住民税はいくらか。
ふるさと納税が反映されているか。
保険料控除やiDeCoが入っているか。
住民税が増えた理由、減った理由。
今年のふるさと納税と投資額をどう決めるか。
この5つです。
給与明細は、通知書の内容が毎月の控除欄に反映されているかを見るために使います。
投資額は、気合いで決めるものではありません。
手取りから逆算するものです。
住民税通知書をただ受け取って終わりにしない。
6月は、税金と投資余力をまとめて点検する月です。
