紫陽花の移り気
紫陽花の季節到来。
紫陽花と言えば、小さい頃、誰だったかに
「紫陽花の色が青いのは、根元に犬がおしっこをひっかけたからだよ」
と教えられ、
この辺りの紫陽花には8割がた犬のおしっこがかかっているのだと、
学校で習うまで信じていたピュアな自分である。
そんなピュアさんは数年前、仕事に追われ母の日の準備を何もしておらず、近所の花屋で見つけたガクアジサイをプレゼントした。
家の中でしばらく咲き続けた後、
葉だけになった時点で鉢植えごと外へ出したらしい。
当時はなかなか実家に帰れず、その話も後から母親に聞かされた。
先日、実家近くの公園で紫陽花が咲き乱れているのを見て、
ふとその時の紫陽花を思い出した。
「そういえば、あの時の紫陽花どうなったの?」
母親に尋ねると、
「あらやだ、玄関先に咲いているじゃない」
と言う。
玄関先?
そんなことがあるのかと思いながら、つっかけを履いて外へ出てみた。
するとそこには、
記憶の中とはだいぶ印象の違う紫陽花が鉢植えで鎮座していた。
葉も茎もいい感じに野生化していて頑丈そう、
葉は何ヶ所か虫に食われている。
プレゼントした当時の可憐さは、もうどこにもない。
肝心の花もガクも小さくなっていたが、
辛うじて「ガクアジサイです」と名乗れる程度には面影を残していた。
全く気づかなかった。
毎日買い物へ出るたび、その前を通っていたのに。
いや、ちょっと待て。
花だ。
花の色が違う。
確か水色だったはずなのに、ピンクになっとる。
花言葉通り「移り気」やー。
疲れた人間から見た世界」。
身体、仕事、痛み、不安、日常の違和感。
なるようにしかならないと思いながら、今日も記録を残している。
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