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50代からの酒との付き合い方を真剣に考えてみた話

店で飲んでいたとき、今日は少し酒が薄いなと思った。

そのため、いつもより一杯多く飲んだ。ただ、それだけだった。

帰り道のことは覚えている。きちんと自宅まで帰り、玄関の鍵も閉めている。リビングには、みそ汁を飲んだあとの器も残っていた。

ところが、その次に気づいたとき、俺はベッドの上で目を覚ましていた。

帰宅したことも、みそ汁を飲んだことも、ところどころ覚えている。

だが、いつ寝室へ移動し、いつ眠ったのかが、どうにもはっきりしない。

「酒を飲んで、そのまま寝てしまっただけではないのか」

最初は、そのくらいに考えていた。

ただ、ふと思った。

若い頃と同じ感覚で酒を飲んでいて、本当に大丈夫なのだろうか。

酒が弱くなったと感じることもある。翌日に残ることも増えた。

眠ったはずなのに、朝から妙に疲れている日もある。健康診断の数字だって、昔ほど気軽には見られなくなってきた。

どうやら50代というのは、酒をやめる年齢ではなくても、酒との付き合い方を一度考え直す年齢なのかもしれない。

そこで、改めて酒について調べてみることにした。


1. 50代になったら、若い頃と同じ飲み方でいいのか?

若い頃は多少飲みすぎても、一晩寝ればなんとかなった。二日酔いになっても、昼には復活していた。少なくとも俺には、そんな感覚があった。

だが50代になると、少し事情が変わってくる。

酒だけが原因とは限らないが、睡眠、体重、血圧、中性脂肪、肝機能など、健康診断で気になる項目は少しずつ増えてくる。

しかも飲酒による健康リスクは、単純に「酔うか酔わないか」だけでは判断できない。

厚生労働省も、飲酒する場合は酒の種類や杯数ではなく、含まれる「純アルコール量」を把握することを勧めている。たとえば5%のビール500mlなら、純アルコールは約20gになる。

つまり、

「昔からこのくらい飲んでいるから大丈夫」

という基準は、あまり頼りにならないのかもしれない。

体が変わっているのなら、飲み方だって変えていい。


2. 「酒は百薬の長」は、今でも正しいのか?

俺はこれまで、お酒そのものを悪いものだとは思っていなかった。

「酒は百薬の長」という言葉もある。適度に飲む酒は体にも良い。なんとなく、そう思っていた。

ところが現在では、「健康のために酒を飲んだほうがいい」と単純に言える状況ではない。

厚生労働省のガイドラインでも、飲酒量が増えるほど多くの疾病リスクが高まることが示されている。WHOもアルコールを発がんリスクと関連するものとして扱っており、がんについては少量の飲酒でもリスクがゼロとは言えないとしている。

だったら酒は一滴も飲まない方がいいのか。

医学的なリスクだけを見れば、少ないほど有利なのだろう。

だが、人間の生活は健康リスクの数字だけで決まるものでもない。

ここが、酒の難しいところだと思う。


3. 50代でまず見直したいのは「睡眠」かもしれない

俺が特に気になったのは睡眠だった。

酒を飲むと眠くなる。だから、「酒を飲むとよく眠れる」と思っている人も多いと思う。俺もそうだった。

ところが実際には、アルコールは寝つきを一時的によくする一方で、睡眠後半の質を悪くし、中途覚醒を増やすことがある。厚生労働省も寝酒を控えるよう案内している。

これは50代には結構大きい。

若い頃なら多少睡眠が乱れても翌日を乗り切れた。しかし、ただでさえ疲れが残りやすくなってくる年代に、酒でさらに睡眠の質を落としているとしたら、なかなか効率が悪い。

「よく眠るために飲んでいる酒が、実は眠りを邪魔していた」と考えると、少し複雑な気分になる。


4. 酒太りも、そろそろ無視できない

もう一つ気になるのが体重である。

酒そのものにもエネルギーがある。それだけではない。

酒を飲めば、つまみも食べる。
帰りにラーメンを食べる。
家に帰ってから、なぜかもう一度何かを食べる。
翌日は二日酔いで運動しない。

こうして考えると、太る原因は酒一杯ではなく、「酒を飲んだ夜に起こること全部」なのかもしれない。

50代になると、昔と同じ生活をしていても体重が落ちにくく感じることもある。

だったら食事を極端に減らす前に、酒を一杯減らす。飲む日を一日減らす。そのほうが案外、楽なのかもしれない。


5. 50代の酒は「量」より「付き合い方」を変える

では、どうするか。

いきなり、「今日から一生禁酒します」と宣言する必要はないと思っている。むしろ俺がやろうと思っているのは、もっと地味なことだ。

  • 毎日飲まない。

  • 飲む量をなんとなく決めない。

  • 空腹のまま飲みに行かない。

  • 寝るために飲まない。

  • 飲まなくてもいい日は、飲まない。

  • そして一番大事なのは、昔飲めた量を今の自分の適量だと思わないこと。

厚生労働省のガイドラインも、飲酒量を把握すること、あらかじめ量を決めること、飲酒の合間に水を飲むこと、飲まない日を設けることなどを挙げている。

こうして並べると当たり前のことばかりなのだが、その当たり前をやらなくなっているのが酒なのかもしれない。


6. それでも、酒は必要か?

ここまで書くと、「だったら酒なんて飲まなければいい」という話にも見える。

だが俺は、そうは思っていない。

酒があったから楽しかった夜もある。普段なら話さないことを話せたこともある。仕事仲間や友人と、酒を挟んだからこそ距離が縮まったことだってある。

酒は不要なのかと聞かれたら、俺は今でも、社会の潤滑油として必要なものだと思っている。

だから、酒そのものを悪者にするつもりはない。ただ、若い頃と同じ付き合い方を一生続ける必要もない。

年齢とともに体が変わるなら、それに合わせて飲み方も変えていけばいい。

50代になったら、酒をやめるのではなく、酒との付き合い方を更新する。

まずは飲む回数を減らしてみる。飲まない日を作って、睡眠や体重、体調がどう変わるのかを見てみようと思う。

酒を楽しむためにも、酒で体を壊さない。

これからは、そのくらいの距離感がちょうどいいのかもしれない。

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